ひとこと日記
2月5日(土)
テレビでコンピュータ将棋の話をしていた。駒得などすべてを数値化して最適解を求める「評価関数」なるものが使われているそうな。なるほど。だがそれをいくら詳細膨大化しても、それだけじゃだめだな。
評価関数そのものを自ら書き換えられる能力が真のAIには必要だ。変化こそが生物の、そしてAIの本質なのだ。
2月18日(金)
会社を休んで人間ドック。バリウムコーナーでは例によっていいようになぶり者にされましたわ(わかってくれ経験者)。
だがそんなのは序の口。音波使っての肝臓検査のとき油断してたらいきなり直腸検査に突入。
40年間守り通してきた私の後ろの童貞が
奪われてしまいました
見も知らぬ男に
2月19日(土)
ドックから帰り疲れ果てた私はベッドに崩れ落ちると泥のように眠りにつくのだった。
そして気がつくと夜。このままでは昼夜の生活が逆転してしまう。この逆境を変えるには… アレしかない!
久しぶりにやりました、大戦略。夕方6時から翌日の夜12時までぶっつづけで。
これやると寝食忘れます。かなり劇薬。でもこの歳で徹夜ができたのがちょっと嬉しい。
2月20日(日)
いかん。副作用強すぎ。誰かこのコントローラーを私の手から剥がし取ってくれまいか。
2月21日(月)
BS−hiで「RC166」とかいう昔のホンダのレーサーバイクをバラすというなんとも痛快な番組があった。
昔機械工やってたからああいう職人さんの仕事は共感できる。
「ここはどうなってるの? ああそういうこと! じゃ、じゃここはどうなるの!?」
ひとつの謎がとけるとふたつの新たな謎が… という不思議の楽園を画面越しにかいま見た。
あと、はっきりいって女の解説いらない。興味のないものを作り笑顔で解説されたってなあ…
2月22日(火)
挫折を経験することで人に優しくなれる… それは事実かもしれないけれど、自分が不幸の真っ最中な時に他人を思いやる余裕がないのもまた事実。
思うんだけど、その不幸があまりにも大きすぎた時、人はひょっとして死ぬまで「同情」や「感謝」という気持ちを持つことができないんじゃないかと。たとえば幼くして親に先立たれたとか… いやなんの根拠もないのだが2、3心当たりがあるので。
2月23日(水)
イラク派遣の自衛隊を守るため豪州が軍を増派。
「情けない!」
バトルオブブリテンでBf109の護衛を必要としたBf110と同じくらい情けない。
2月24日(木)
西部鉄道の小柳前社長の自殺を知り、堤氏は号泣した。そう新聞で読んだ。
人として人間らしく生きること、企業のトップとして権益を守ること。ふたつは両立しえないのだろうか。
2月25日(金)
世間を騒がせているライブドアの動向、どうも賛同できない。しょせん私腹を肥やすためのマネーゲームにしか見えない。もし「メディアをこう変えたい」という理念をはっきり訴えたなら世論を味方につけ必ず成功できたろう、去年の古田のように。
けれどライブドアの奇行は楽しい。日本の会社のあり方を変える、社会を活性化する起爆剤になればいいと思う。
2月26日(土)
仕事のミスが続いている。せっかくいい上司や仲間に恵まれてるのでなんとか足を引っ張らないようにしたいのだが。結局仕事というかフォークリフトがキライだからミスが増えるのだろう。好きになるしかないか。
2月27日(日)
NHKの「新日曜美術館」でヴェネチアビエンナーレ建築展の日本館展示の特集をしていた… と書くと堅苦しいが要は「日本のおたく」展だった。色もの企画と思いつつ見てたが企画者の真面目で真摯な意図に心うたれた。「認めてもらう」などという低次元な発想ではなく、おたく文化を可能な限り忠実に再現、展示する事で「共に考えよう」という姿勢を感じた。のみならず「これでいいのか」というおたく自身の問いかけ、悩みすらその奥底に感じられたのは穿ちすぎだろうか。
西洋の一般人というある意味究極の第三者に対し「おたく」のなんたるかを伝えようとする過程で「おたくとは何か」と自分自身を問い直す。その切り口の鋭さ、発想の柔軟さ、そして冷静な視点。大人の文化としておたくが成熟しつつある証なのだろうか。それにしても「わび」「さび」と「萌え」を同列にとらえるあたり「まさにその通り!」と叫びたくなった。あと、「やおい」の本来の語源を初めて知りました。ありがとう。
ひとこと日記といいつつひとことで言い尽くせないほどいろんな事を考えさせられる番組だった。こんな企画を思いつき実行する連中もすごいが、これを堂々と放送する「日曜美術館」、あんたもすごいな。