−ひきかえせぬ泥沼−
ついにアンプまで自作なのかPart2
今度はホンキです。
そう思って真空管と部品一式、買ってきました。
いきなり勝負です。
一応できました。
こわごわ、電源入れました。
「ボンッ」って言って中から白煙があがりました。
もう、怖くて触れません。
やはり、いきなり真空管、それもキットならともかくいきなりフル自作は無謀でした。
というわけで地道にいきます。
「NJM2073」というICを使ったアンプです。
このキットにはボリューム、スイッチ、端子、電源、ケースなどがないので、上の失敗アンプをバラして使いました。
完成(しかし…) 分かりにくい写真ですが、真ん中の透明ケースに入ってるのが、 作ったばかりのアンプ。その下は古いアンプ。 (奥にあるのはUSB接続の扇風機) さあ、今度のアンプは電池駆動だから失敗しても怖くないです。 間違った箇所をハンダやり直して、再び電源ON。鳴りました。というか誰が作っても鳴るようにできてます。 感激です。やはり自分が作ったアンプが鳴ると嬉しいです。その瞬間だけ、世界一いい音を聴いてる気になれます。 でもそれは最初だけ。次第に「ここが不満」というのがでてきます。 このアンプの場合、なんていうか「音が暴れてる」みたい。 |
私、自作アンプに興味を持ってから、その手のサイトをめぐってますが、つくづく思うのが、
自分の「音を表現するボキャブラリの乏しさ」です。
音が割れてる、とか、やせてる、とか。その程度の表現しかできない。
今の音に自分がどう思っているか、そしてどんな音を求めているか。
それを自分自身で表現できないようでは、いい音を作ることも、ひとに助けを求めることもできないと実感してきました。
たとえば音が割れてたら、アンプのパワーが足りないんじゃないか、といった原因究明のカギが、ボキャブラリが増えていくことに比例して増えていくんじゃないかってね。
でもまあ、今回は思うだけ。本格的にやるのは還暦過ぎてからでいいかな、と。
でも現状には不満なので、IC作ってる会社のサイトに行き、データシートにかいてあるアドバイスとおりに回路を修正しました。専門用語を使っていいならば「負帰還をかけて」みました(真空管アンプから適当な部品をひっこぬいて)。
変わりました。音が。
ずいぶん大人しくなりました。暴れなくなりました。お上品になりました。でも元気のない音です。
ひとことでいって「去勢されたような」音です。
アンプ自作派の間では「負帰還否定派」「肯定派」といった派閥があるらしいです。これだけ劇的な功罪があればそれも納得です。それもこれも、実際に回路をいじってみて実感できることです。
私としてはこの音は楽しくありません。けど、BGMとして聞いたり、あるいは音楽以外(テレビのニュースとか)を聞く分には、この無個性の音のほうがいいような気がします。いい音には主張があるけれど、聞き流したい時にはそれがかえってジャマになる場合もあります。
「天使と悪魔」スピーカーのなれのはて |
さいわい、もう一つのアンプがあります。500円のPC用スピーカをバラして出てきたアンプです。こいつは多少シャリシャリするものの、とても元気のいい音が出ます。「ボクを聞いて、聴いて!」と音が主張してきます。音楽を集中して聴く時はこちらを使うことにしました。要は使い分けです。 |
ちなみにそんなグリコのオマケのようなアンプのほかにちゃんとしたアンプも一応持ってます。けど、負帰還かけたほうのアンプそっくりの無個性な音です。むしろパワーはなくとも電池駆動アンプのほうがさわやかな音に聞こえます。それなら無理にACコードひっぱって原子力の放射能で汚れた電気をひっぱってくる必要もないでしょう。
というわけで現在、家で聴く音楽はみんな電池駆動です。
いっぽう、音質向上とは別に、秋葉原でこんなもんも買ってきました(1,100円)。
太陽電池です。3V〜12Vまで出力電圧を4段階に調節できます。
晴れた日にこいつを窓の外に出してアンプにつなげると、近所から苦情が出そうなほどの大音量でスピーカーが鳴ってくれます。ただしそこまでボリュームあげるとパワー不足が露呈して音が歪みます。アパート住まいならこの程度のパワーで十分とも言えるわけです。
というわけでとうとう「A級アンプ」ならぬ電源不要の「永久アンプ」になってしまいました。
うわぁい、お日さまの音だ!(いい音です)