より小さくより静かに、編

時限爆弾みたい


 また一台作る事にした。深い理由はない、部品があまってるから。前回の筐体自作マシンがそれなりに成功だったので今回もその路線を継承する。コンセプトは『より小さくより静かに』。なにしろ現在私の手元にはコンパクトでサイレントなPCを作るのに最適なパーツが揃っているのだ。

CPU … IDT WinChip2-200 5,400円くらい
 今はなき(VIAに合併された形の)IDT社から出ていた変わり種CPU。99年秋に購入。当時でさえ話にならないくらい遅いCPUだった。しかしソケット7であれば初期のものから果てはNECの98まで、ほとんど全てのマザーボードで動作するという利点があり、型落ちPCの救済策として隠れた人気があった。
 このCPUにはもう一つ、消費電力が少ないという利点がある。そのぶん発熱も少ないのでコンパクト&サイレントなPCにはうってつけ。今回は思い切ってCPUクーラーレスに挑戦してみたい。

ハードディスク … ノート用2GB 0円(もらった)
 パソコン騒音の3大要因は『電源ファン』『CPUクーラー』『ハードディスク』。ハードディスクの騒音はあまり目立たないが、それは他の騒音源がうるさすぎるから。ひとつの騒音源を解決すると他の騒音が気になってくる。それがサイレントPCを作る際の難しさ。ハードディスクには有効な騒音対策があまりなく、素材そのものを吟味するのが最良の方法。ノート用のものは当然静かでコンパクト… というかほとんど反則技。2ギガという容量に目をつぶれば素晴らしいサイレントPCができる予感。
 でも実際使ってみたらえらくやかましかったのでスマキにしてくれた。

これこの通り

電源 … DELTAの小型電源(100W) 2,900円
 DELTA製の電源は静かだといわれているが実際はものによりけり。これはなかなか静かだった。気に入ったのは、ファンが筐体内側に向いていてCPUの熱を吸って外に出すように工夫されている点。CPUクーラーなしで作ろうとする私には強力な味方だ。容量が100Wと少ないがコンパクトなPCには十分だろう。  

 その他のパーツは以下のとおり。

筐体 900円くらい
 前回と同じ、スーバーで売ってるA4サイズのプラケース。今回は薄いのを選んでみた。内部容積は230×327×65(mm)。ここにパソコンに必要な全てのパーツを詰め込むのだ。小さいほど燃えるのは日本人の性か。

素材厳選

マザーボード … EPOX EP−MVP4F 3,000円くらい
 ソケット7用micro-ATXマザボ。あぷあぷという店で売ってた動作保証なしの、要はジャンク品(新品だけど)。リビジョンが「0.2」と異様に若いのが激安の原因か。

メモリ … とりあえず手持ちの64MB(買った当時11,000円)

 ビデオ機能、オーディオ機能を内蔵した統合型マザーなので基本的にはこれだけでOK。ノート用ハードディスクを通常のIDEケーブルにつなぐための変換アダプターも、専門店に行けばわりと簡単に見つかる。私はアキバのジャンク店でみっけ(500円)
 とりあえずつないだら動きました。ちなみに制作途上のPCには絶縁他の意味もかねて下に雑誌をひくのがよろしいかと。今回は「なかよし」91年12月号でビンテージかつキュートに決めてみたわよ。

こうやって見るとPCって生き物だね

 問題はCD−ROMドライブだ。この大きさの筐体に通常のドライブをつけるのは困難、ノート用のスリムなのを使いたい。スリムなドライブ自体はパソコンショップで売ってるのだが、それらはあくまでノートパソコンのアップグレード用。通常のIDEに変換するアダプターなどどこにも売ってない。ようやくアキバで見つけた一品は実に3,800円。安物のドライブがひとつ買える値段だ。アキバ通いで金銭感覚がマヒしてるとはいえ、そこは大阪生まれの大阪育ち。とてもじゃないがそんな無駄金は使えない。いっそ強引に通常のCD−ROMドライブぶち込んでやるか… と思っていた矢先、なんとスリムCD−ROMドライブ(新品)が変換アダプター付きで売られているという情報が。さっそくクレバリー2号店でゲット(3,000円)
 いや〜、掘り出し物です。あんまりうれしいので2つも買ってしまったのは内緒だ。

むちむちもええけどスリムもよろしおまんな〜

 実際にケースに入れて動かしてみると、冷却がおもわしくない。ヒートシンクを青色の見栄えのいいのから実用一点張りの真っ黒のもの(98円)に代えてみたら嘘のように改善された。どんなに酷使してもCPU温度が40℃を超えない。ファンレスとは思えない優秀さだ。WinChip2とDELTA電源、ノーブランドのヒートシンク三位一体の絶妙なマッチングの成果である。世は満足なり。

「おあつらえむき」という言葉がぴったり

 その他、仕上げにLANカード(1,000円)、モデムカード(2,000円)をとりつける。最近はロープロファイルとかいう背の低いカードの品揃えが増えて今回のようなPCを作るのも随分楽になった。とかいいつつ買ってきたモデムカードが背が高くて使えず新たに買い直したりしたのも今となっては懐かしい思い出さ。

試行錯誤中

まえ〜うしろ〜

 一見、おしゃれでコンパクトなPCの完成に思える… が、実際には黄色がどギツすぎでイヤ〜ンな感じである。しょせん自作派に美的センスを求めるのが無理なのかも。で何に使いましょ、これ。


その後…

 やっぱ、使い道ないんで解体しました。使えそうで、やはり使えませんWinChip2。


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