はじめてのセレロン編

全力公試(ベンチマーク)中の温度測定


始めてなんです

 うちにはセレロンが2つある。366と433。しかし私は一度もセレロンでパソコン組んだ事がない。それ用のマザーボードを持ってないのだ。ではなぜセレロンだけ持ってるのか。話せば長くなるので詳しくは述べないが

セレロン433がクーラー&ゲタ(※1)込み1000円ならあなただって買うでしょ

 まあ、それはいい。今回友人に一台作る事にしたのでいよいよこのセレロンの出番だ。「しょぼい!」というなかれ。彼はいまだにペンティアム133のマシンを使ってる先カンブリア代の住人であらせられる。それを一気に三畳紀かジュラ紀あたりにタイムワープさせてあげようというのだ。さあ、手持ちパーツとあらたなパーツ、そして日頃培ってきたパソコン作りのノウハウで手堅い一台を作るのだ。

※1 ゲタ … この場合、PPGAのセレロンをBXマザーに差せるようにした変換アダプターのこと。正確には「ゲタ」ではなく「スロケット」である… というように下手にPC用語を解説しようとすると余計に未知の用語が増えるのでむやみに解説できない。はっはっ。

珍しくオーバークロックに燃える

 サイレント&コンパクトをパソコン作りの信条としているのでオーバークロック(※2)に本腰入れた事はない。そんな温厚な人間さえオーバークロックに駆り立てるのがセレロンのこわいとこ。今回は366を500オーバーで安定動作させるのを目標にする。

 1・な〜んも考えずオーバークロック
 BIOSでベースクロック(※3)を66MHzから95MHzにアップ(522MHz)。なんと動いている。噂に違わぬセレロンの体力に驚く。しかしベンチマーク(※4)が落ちるのはともかくエクスプローラがフリーズ(※5)を連発するのでは実用価値なし。

 2・「SETTEN NO.1」を使用
 知る人ぞ知る魔法の薬。ディスプレイ端子に塗ると映りがよくなりオーディオ端子に塗ると音質改善、そしてCPU果ては電源コネクタに塗るとクロックアップ耐性が上がるとさえ言われている。
 しかし今回は全く症状改善されず。

 3・CPUクーラー(※6)交換
 セレロン純正のものからペン3用に交換。CPU温度が5℃近く下がる。意外な効果にびっくり。しかしまだまれにフリーズする。

 4・CPU研磨(※7)
 クーラーをさらに高性能なものに代えればさらに安定動作するだろう。が、やかましいCPUクーラーつけるのはヤだし、そんなものに何千円も払うくらいなら最初からワンランク上のCPU買った方が賢いと思う。ので、安上がりと思われるCPU研磨を試みた。温厚な人間にここまでさせるのがセレロンのおっかないところ。
 1000番の紙やすりを使用。削ってみてCPUの表面が全然平らじゃない事、表面は銀色でもすぐ下は銅色だという事に気づく。なんでもやってみるものだ。自分の顔が映るかというくらいピカピカにしたCPUで再度動かしてみた。不安定になってる。温度も若干上がっている。明らかに失敗だ。この時ようやく
「ピカピカにするより、平らにする事のほうが大事では?」
 という事に思い当たる。

不要になったスロケットを台座にして研磨に励むの図研磨中のセレロン。削れて内部の銅色が見える。


※2 オーバークロック(OC) … パソコン用語、特に自作に関する言葉はクルマに置き換えると分かりやすい。オーバークロック(クロックアップともいう)は、クルマでいえば改造によってエンジンパワーを上げることである。

※3 ベースクロック … ベースとは、基本。クロックとは、どっくんどっくんである。やはり基本がどっくんどっくんすることが大事である。ここで「ベースクロックをあげる」というのは、あえて誤解を恐れずにいえば「サスをかためる」ぐらいの意味である。

※4 ベンチマーク … はやい話がゼロヨンである。

※5 フリーズ … エンスト。

※6 CPUクーラー … ラジエータ。

※7 CPU研磨 … CPUとクーラーの隙間をなくすことで究極の性能アップをめざす。目的こそ違うがクルマの改造におけるシリンダのポート研磨やピストンリングの交換など、まさにそれにあたるだろう。いずれにせよメカに対するマニアの異常な愛情は女には理解できない世界である。

ぺったんこ宇宙論 (※8)

 CPUの表面に定規をあて、明かり越しにすかしてみる。隙間から光が差す。ああ、あきらかにデコボコだ。しかし…
 しかし、本当にデコボコなのはCPUなのか? 定規の方ではないのか? そもそもCPUが平らでもクーラーの表面が平らじゃないかも。どんどん疑心暗鬼になってく我が心。いったいこの世に本当に平らなものなどあるのか? あるとしてもそれはシルバー王女の胸(※9)くらいではないか。ああ願わくば王女の胸を借りる事ができれば…

「シルバー王女、折入ってお願いが」
「なあに」
「王女の胸で、このCPUをジョリジョリさせていただきたい」
「ええ〜っ!?」
「お願いだ。これを頼めるのは世界にふたつとないぺったんこなあなただけなのです〜っ!」
「しようがないなあ。いいけど… 痛くしないでね」(以下略)


 …などと妄想をふくらませている場合ではない。なんとか平らなものを探さねば。しかしその答えはオーバークロック系サイトを練り歩くうち簡単に見つかった。
 鏡
 な〜るほど、先人の知恵。というわけで鏡でジョリジョリ。結果、若干温度が下がるようになったが依然安定動作には達しない。鏡を使えばそれでいいというものではなく削り手の技術が必要なのだろう。ろくにハンダ付けもできない不器用な自分には無理な相談だ。

 5・喝入れ(※10)
 かつて定格よりも電圧を下げた事はあれど、オーバークロックの常套手段とはいえ喝入れとは。温厚な人間にここまで踏ん切りつけさせるのがセレロンのおそろしさ。しかし幸か不幸か今回使用のマザーボード(AOpen MX3WPro-E)には電圧の手動設定はなかった。あればオーバークロック成功は確実だろうが、私のポリシーであるサイレントPCとはほど遠いマシンになったであろう。


 以上のような理由から366の大胆なオーバークロックはあきらめ、代わりに433を488に、気持ち程度のオーバークロックに留めた。これでも先カンブリア紀に比べれば十分速いと思うが。

※8 ぺったんこ宇宙論 … 不祥、私こと雪山は「ぺったんこ宇宙論」の創始者である。その全容はいずれ明らかにされよう。

※9 王女の胸 … OPを見るかぎり、完全なるユークリッド平面である。

※10 喝入れ … CPUにかける電圧を「故意に」上げて安定したオーバークロックを狙うこと。CPU破壊と隣り合わせの危険な技。クルマでいうなら「ボアアップ」もしくは「ニトロ」というところか。私は以前、「誤って」定格5VのCPUアクセラレータに12Vかけてみごと昇天させたことがあるがそんなのは喝入れとはいわない。

てなわけでパーツ構成

これに電源、HDD、LAN、モデムをつければできあがり。PCなんて簡単でしょ

CPU セレロン433 \1000- 488(ベースクロック75MHz)にOC
M/B AOpen MX3WPro-E \5000- 折よく俺コンで修理済中古品を購入。
メモリ 128M \7000- メモリが安くなり始めた頃まとめ買いしたもの。
今なら256Mが買える値段(後悔)
HDD 20GB(富士通製) \9000- オーナー(予定)が富士通のファンなのだ
CDROM 24倍速(ACER製) \1000- 私だけが知る秘密の店で購入
FDD 2モード \1000- CD−ROMドライブと同じ値段というのもヘン
電源 145W(DELTA製) \1980- 最近こればかり使ってる
クーラー ペン3リテール付属 \0- 重い分、セレロン純正より冷える
ケース A4版プラケース \1280- 近所のイトーヨーカドーで購入。最近の定番
SCSI FAST SCSI \2000- 大阪のソフマップで買ったジャンク。
モデム AOpen製 \2000- マザーボードと同じ店で購入
LAN グリーンハウス製100BASE \1000- 安くなりました
\32000

その他 … ATX用背面パネル、FDDケーブル、IDEケーブル、HDDアクセスランプ
        キーボード、マウス、電源コード、オーディオケーブル、防音シート、ネジ等

背面パネル。こんなものをなぜ売ってるのだろう。

 はっきりいってHDD以外のすべてのバーツが一世代、二世代前のものといっていい。逆にHDDだけはゆずれなかった。現在パソコン性能の足を引っ張っているのは通信回線とHDD。HDDのスピードはパソコンの体感的性能を大きく左右する。HDDは最新に限る。

組み立て

 プラケースを使っての自作も三作目なので今回特に困ったことはなかった。あえて細かな特徴をあげるとすると…

・電源スイッチをなくした
 単にスイッチをつける工作が面倒くさかっただけ。BIOSで「CNTL+F1」で起動するよう設定した。リセットスイッチもつけなかったのでフリーズしたら最悪コンセントを抜くしかない。

・もちろん、サイレント
 パソコンは静かでなければならない。CPUクーラーと電源ファンの電圧を本来の12Vから5Vに落とし、さらに…

・HDDを防音材でくるんだ
 この富士通製HDDはかなり静かな部類に入るがそれでもまだ不満。くるむとほぼ無音になった。

分かりにくいけど、右側の銀色っぽいのがスマキにされたHDD

 できあがりは、前面にCD−ROMとFDDの挿入口以外何もないというのっぺらぼうマシンとなった。おかげでサイレント性は文句なしだが発熱的には不安を感じる。(結局、電源ファンの電圧を7Vに上げた)

ベンチマーク

注 … 実験用のディスプレイを使ったため解像度640*480で計測

HDBENCH ver3.22  (640*480/16)

ALL CPUInteger CPUFloat Memory
Read
Memory
Write
Memory
R&W
Video
Rectangle
Video
Text
Video
Ellipse
Video
BitBlt
Direct
Draw
Disk
Read
Disk
Write
Disk
Copy
14953 19694 20692 8794 12021 14311 15990 15100 1739 542 29 23431 27977 4383

SUPER π(104万桁) … 4分11秒
3DMark2000 … 1489

 2001年を現役で生き抜くのに必要十分なマシンができたと思う。CPUをペン3に換装するだけで簡単に延命できるのも強みだ。ただし3D性能は悲惨。AGPスロットもないので強化も難しい。もっともゲーマーなら最初からこんなマザーボードは選ばないが。


おまけコーナー

 発見、深夜の密会(何を話しあってるのか)


その後…

 このマシン、会社の後輩のために格安(5000円で売る約束)で作ったのだが、結局引き取ってもらえず。見た目がこれではねえ。不憫なので自分のメインマシンにしました。
 メモリを256MBに、VGAをAll-in-wonder128に換装。
 その後、値段の安くなったカッパーマイン・セレロン(900MHz)に換装。2005年まで使ってましたが不満もなく力不足も感じませんでした。今にして思うとBX、i810/815あたりのインテル製品は非常に優秀だった気がします。安定しすぎてなにか物足りないけど。


DIYメニューへ   

inserted by FC2 system