−2004年・今どきPC編−

 2003年という年は自作派を自認する私にとって不本意な一年でした。なにしろ1台も組んでません。
 弟のパソコンを修理してその際CPUを換装したとか、壊れかけのプリシェを買ってきて原形を留めぬほどにいじり倒したとか、その程度の小ネタで細々と腕のなまるのを回避してきた1年でした。
 だから新年早々奥村さんちでMT氏と雑煮をいただいた際、MT氏のPC故障の報を聞いた時、私はむしろ喜んで修理を引き受けました。MT氏にオーバークロックを勧めたのはほかならぬ私であったから、という責任も多少はあったし。
 それに最近PCのトラブルにまつわるよからぬ噂も聞いていたのでそれを確かめる意味もあって。

一週間後、MT氏のPCは我が元に。

MT氏の愛機。
Duron1300/40GB
メモリは512+256MB!
何も差さってないシンプル構成。
すがすがしささえ覚えます
マザーボードはBIOSTAR社のM7VKQ。
あ、カメラさん。ここ寄ってもらえますか。
ああ、やっぱり。手前の3つのコンデンサが膨らんでます。
昨今世間をにぎわせている「PCの突然死」。
その原因の多くはこのような台湾製コンデンサの不良です。
マザーボードもコンデンサで選ぶ時代になってしまった!

 コンデンサを買ってきて修理を試みましたが、あえなく失敗(なにしろハンダが下手なので)。
 いずれにせよ日頃パソコンの蓋を開けて楽しむ人種でもない限り、たとえこれが修理できてもメインマシンとして使うには不安があります。MT氏との相談の結果、CPU/マザー/メモリ/HDDの換装と決まりました。事実上の新造です。

 勇躍、聖地秋葉原へ!


マザーボード … intel D865GLC 
今回の制作はマザーボードの不具合が発端ということもあり、安定性重視で選びました。信頼のブランド、インテルです!

でも自作派の間ではインテル製ボード、実は不人気です。
なにしろガチガチに安定重視。オーバークロックは一切できません。
けど、今回のコンデンサ騒ぎのよな事もあり、マザーボードの信頼性が問われるこの時代、インテル製マザーの人気はあがっていくものと思われます。

基本性能以外で魅力を感じたのがビガビットLAN。インテル製LANカードは単体だと結構いい値がするので、この機能だけでも「買い」かもしれません。
めっちゃくちゃ恥ずかしいパッケージに入ってました。
PC陣営ってトップブランドでさえこのセンス。
Mac派が小馬鹿にする気持ちもなんとなく納得。

3年保証はともかく「あんしんの」は余計です。
漢字が読めない人でも組めるよ! と言わんばかりの擦り寄る態度。
自作派のプライドを完全に逆撫でしています。

やたら分かりやすい組み立てマニュアルがついてました。
もちろん日本語です。
一切の説明書のないジャンクマザーでハラハラしながらジャンパピンを抜き差ししてた私には夢のようです。「いたれり尽くせり」ってかんじです。

CPU … ペンティアム4 2.6CG
というわけでCPUは当然ペン4。
CPUとマザーボード、インテルパッケージの2段重ねです。ま、まぶしい!

MT氏がXPユーザーだったので、やはり選ぶべきはハイパースレッディング機能を搭載したこの石しかないでしょう。
(ハイパースレッディングは仮想的に1つのCPUで2つのCPUの働きをする。ウインドウズ系OSではXPだけがこの機能をサポートする)

逆にXPユーザーでなければ、ペン4でなくアスロンもコストパフォーマンスのいい選択肢かもしれません。

メモリ … DDR400(PC3200) 512MB*2
今、購入に一番ためらいを感じるパーツがメモリです。
相性問題とやらでPCが動かないケースがあまりに多い。

人のパソコンを組んで「動かない!」ではすまないので安全パイの箱入り娘を選びました。
実はDDRを買うのは初めてです。どのブランドがいい、とかいう情報もよく知らなかったのですが、SanMaxは評判もそこそこのようで、結果オーライです。
ちなみにチップはhynix。

HDD … Seagate Barracuda 7200.7 120GB
MT氏はHDDの換装までは考えてなかったのですが、私が強力に増設を勧めました。せっかく新調する高性能PC、旧式HDDが足をひっぱるのをむざむざ黙認するのは、自作派として耐えられません。

スピードと静音性のバランスがとれたバラクーダを選択しましたが、やかましいのが平気っぽいMT氏にはもっと速度優先のHDDでもよかったかも。

なおこのHDDはシリアルATA接続です。これも初体験です。

 その他シリアルATA用電源ケーブル、3.5インチベイ増設USBとかを購入。計65,000円前後。お大尽です。

 PCの蓋を開けることに快感を感じる私のような人種なら、とりあえず一番コストパフォーマンスのいい安物で揃え、不満がでてきたパーツからその都度買い換えるというのがいい(というか楽しい)と思います。

 が、MT氏のように「PCなんて道具」と割り切ってる人なら、いちどきにいいパーツでガッツリ組んで増設の手間をはぶくというのもいいと思い、今回はそうしました。(HDDもそんなわけで強引に増設)。

組み立て中。

人の金でパソコンが組めるなんて、ラッキー!
…と思ってたですが、実際やってみたら
「なにがなんでも動かさなきゃ」
というプレッシャーのほうが大きくて、喜びも中くらいなり。

それとマニュアルがあまりに懇切丁寧なので、「組んでる」というより「組まされてる」ってかんじ。それでもやっぱり組むのは楽しいけどね。

ただ、喫煙者のパソコンは臭いしヤニはこびりついてるし。
タバコは人にもパソコンにもよくありませんよ。
HDD2基+光学ドライブ2基という、静音マシンばかり作ってきた私には驚愕の増設しまくりマシン。一応300Wのペン4対応の電源を積んでるのだが、果たして大丈夫だろうか…

というわけで簡易電力計付きの電源タップでベンチマーク中の消費電力を計ってみました。
MAXで200を切ってます。まずはひと安心。

ただ、電源にサービスタップがついていて、そこからディスプレイの電源をとることになるのだけど、その分の消費電力って影響ないのかな。多分ないと思うけど…

MTさん、もし気になるならディスプレイは別のタップからお願いします。

 唯一心配だったメモリとの相性も問題なく、無事起動しました。動けばこっちのもんです。
 インテル製CPUにインテル製マザー。拡張ボード皆無。そしてXP。当然オーバークロックなし。
 これで不具合が出せるもんなら出してみろ、てなもんです。
 (といいつつ電源に一抹の不安を隠せませんが)

 しかしアレですね。身も蓋もない言い方ですが。
 「つまらん自作」でした。
 今まで作った中で間違いなく最速ではあるのですが(スーパーπは1分きってます)。
 でも、誰が作っても同じですからねえ、この構成では。
 まあ安定性重視ですから仕方ないですね。もちろんいろいろ勉強にはなりました。
(シリアルATA、DDR、ハイパースレッディング、XP、ペン4、12V電源端子、などなど初物オンパレードでした)

 次回は「こんなの動くはずがない!」みたいなのをやってみたいですね。


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