親指シフトキーボード修理編


 新しい親指シフトキーボードを買って、まずはひと安心。
 だが予備のキーボードがないと安心できないのも、追い詰められた親指派の悲しい性。
 春が来てハンダ付けが苦にならないくらい暖かくなったら、壊れたキーボードの修復を試みるつもりでした。
 ところが先日、真冬とは思えないほどの気持ちいい好天が数日続いたのです。
 「今だ!」

今回の被害者患者

 「FMVTW-KBS」。1998年製。
 「FMV-KB611」の同等品だと思うけどオリジナルの611を持ってないので断言はできません。
 611のドライバを入れて何年も使っていたけど、去年の夏に「V」の文字が触れてもいないのに連打される不具合が発生、症状はひどくなるいっぽうで遂に使用を断念しました。
 これの前に使っていた「KB211」も同様の不具合が起き(「V」ではなく「M」だったが)、キー裏のハンダをやり直してみたものの結局直らなかった苦い経験があります。
 最近になって「原因はハンダ不良ではなくコンデンサの寿命ではないか」という第六感がひらめいたので、修復にチャレンジしてみます。


分解

 裏の2つの小さなネジを外し、あとは少々力任せにこじ開ける。プラ同士がかみ合うようになっているので結構手間がかかります。
 私はマイナスドライバーを使いましたが、プラに少々傷がつきました。

「FMVTW-KBS」の分解写真。

上蓋

下蓋、

本体をくるむようについていた銀色のプラスチック。
(静電気に対する防護だろうか)
2本のネジで本体に止められてました。

そして本体。

ケーブルは比較的簡単に抜き差しできる構造。
本体・表面

黒い部分はなんと鉄板。
どうりで重いはずです。
同・裏面

ハンダ箇所がむきだしなので、
修理は簡単

本体裏面に15本ほどあるネジを外すと、さらにキートップ部と基盤部に分解できます。この際掃除も兼ねて徹底的にバラしてみました。

キートップ部を裏から見たところ。

そのアップ。

積年の埃にまみれています。
基盤部

いかにもコストかかってそう。
基盤部のアップ。

赤い丸で囲った部分が、
今回のターゲットとなる電解コンデンサ。

(上:16V22uF
 下:16V47uF)
角度を変えて撮影。
ふうっふっふぅ〜(by亜美)

 せっかく分解したので積年の汚れをはらいます。
 特にキートップは入念に。
 クリーニング用アルコール程度では全然汚れがとれなかったので、CD-ROM用のクリーニング剤を使いました。泡で汚れを浮き上がらせるタイプで、効果はバツグン。
 基盤とキートップが分かれているので容赦なく洗えます。洗剤が残ってると電気的にも機械的にもよくないと思うので何度も水洗いして最後は庭先に干しました。う〜ん、ワイルド!

 さあ、キートップを乾かしている間に本題のコンデンサ交換です。


電解コン、OSコンには極性があります。
逆に使ってはいけません。
左の2つの電解コンデンサは、この日に備えて買ってきたもの(単価10円)。
ところが。
バラしてから気づいたんだけど、47uFのコンデンサの位置がKB-211と違ってます。
買ってきたコンデンサは、背が高すぎてうまく収まりそうにありません。

さあ、どうする?

互換品がないか工具箱をあさっていたら、手頃なものを発見!
右の、背の低いコンデンサがそうです。
そう、OSコンです。しかもオーディオグレード!

もったいないけど、これを使います。
せっかくなのでハンダもオーディオ用の銀入りハンダを使いました。
もうやけくそです。
コンデンサ交換後の写真。
おやおやOSコンがキーボードの間から、にょっきり出てきてコンニチワ。

実はこの部分は布製です。おさまりきれないコンデンサの怒張をやんわりカバー。

この場所さえ前もって把握してカッターか何かで切り取っておけば、
キートップ部と基盤部を分解しなくてもコンデンサ交換できますよ。

参考までに
上は「FMVTW-KBS」
下は「FMV-KB211」。

使用しているコンデンサの種類は同じですが、
位置が違いまふ。


 キートップを一晩乾燥させた後に再度組み立て、動作確認してみました。

 ん? うまくいきません。左側のキーのほとんど(A,Sなど)が押しっぱなしにしても連打できていません。修理前より反応が悪くなってます。

 しかしこの不具合が逆に自信になりました。コンデンサを交換しただけで不具合が出るなら、やはりコンデンサに原因があったということです。

 実は電子部品はエージングといってある程度使い込まないと本来の性能が出ません。コンデンサもそうで、特に今回使ったOSコンは本来の性能が出るまで100時間程度のエージングが必要とか言われてます。

 期待に胸をはずませてキーボードを一晩通電させました。
(といってもPCに接続させてただけ。電源を切ってもPCには待機電流が流れてますから)
 翌日、改めて動作を確認しました。

 全ての不具合が直ってます。よっしゃ!

 本当の検証にはまだ数週間かかると思いますが、とりあえず今回の修理は成功といっていいと思います。今書いているこの文章も修理したキーボードで書いてます。

修理前
修理後

ほら、新品同様です。えっ、エスケープキーはどうしたって? はははははっ。

 使用感は故障前と変わりません。いや、前よりもよくなっているかもしれません。
 フォントの輪郭が以前よりくっきりとして見えます。コンデンサの交換がこれほど効果的だとは思いませんでした。
 以前は気になっていたサ行のかすれもありません。銀入りハンダの効果は絶大で文字がキラキラときらめくようです。
 自分の書く文章までうまくなったような錯覚を覚えます。もう元には戻れません。


 まあ寝言はともかく、コンデンサを交換することで壊れたキーボードが生き返るかもしれないよ、という希望の光を伝えてこのコーナーを終わります。
 今後、不具合その他変化があれば、またここに書き足したいと思います。


追記:(09/04/14)
 最近、F7キーを押していないのに勝手に押下したと認識されるようになってきた。それも日に日にひどくなる。
 どのみちF7など使わないので「Change Key」でF7を無効化した。
 原因がハード側にあるのかソフト側にあるのかは不明。

 
(当サイトでは親指シフトキーボード、専用機OASYSの修理依頼は受け付けておりません)


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