CubePC編・Part2


年に一度の自作祭り

 皆さんは1年に何台のPCを自作しますか? 今年は何台組みましたか!?
 慢性的な緊縮財政に悩まされる私ですが、それでも年に1台は組まずにいられません。
 幸か不幸か、弟のマシンがもう寿命です。せっかくなので手持ちの部品を活用して1台作ってみます。
 2年前に母のため作ったCubePCが十分実用に耐えているので、今回もCubeなベアボーンで組むつもりです。



例によって時代錯誤なパーツ構成

手持ちの部品はこんな感じ

CPU PentiumDC E5200
メモリ DDR2 1GB*2
グラボ 7600GS
その他 ・キーボード
・マウス

 使い物になる部品はこれくらいです。
 揃いも揃って型落ちばかりですが、それでも弟の現マシン(Athlon1100/768MB/Radeon9600)より数段快適になるのは間違いないでしょう。

足りない部品は

・M/B&ケース&電源(ベアボーンを予定)
・HDD
・光学ドライブ

 HDDは、手狭になってきた私のマシンのHDDを買い換えて、お古を弟用に回すつもり。
 光学ドライブは、3000円も出せばDVDドライブが買えるでしょう。
 問題はベアボーンです。手持ちのパーツを活用となると、CPUがSocket775、メモリがDDR2対応のものに限定されます。
 2010年現在、それに該当するCubePCのベアボーンはほとんどありません。特にメモリの主流は完全にDDR3に移行しています。
 なのでベアボーンは中古を物色、手頃なものがなければMicroATXのミニタワーな安物ベアボーンを選ぶこととしました。

 そして日本橋へ。



問題だらけのベアボーン

 買ってきたのはこれらの品々。

・ベアボーン … Shuttle SD32G2B(中古)
・HDD … Samsung HD154UI(1.5TB)
・DVDドライブ … LGのなんか(適当)
HDDは「次に買うのはWD」と1年も前から心に決めていたのですが
買う直前になって迷いが生じました。
最新の売れ筋HDDは2TBが主流ですが、これがやたらとトラブルが多いらしい。
太古の昔から周期的に訪れる「容量の壁」問題がまた再発してるみたいです。
無用のトラブルに巻き込まれるのはごめんなので1.5TBのこれを選びました。
敢えてサムスンを選んだのは、以前のサムスンHDDに見られた耐久性の問題が
改善されてるようなので一度試してみたいと思ったからです。
(自分の使ってるサムスン製ケータイが非常に優秀ということも理由のひとつです)


 DVDは、まあ動けばなんでもいいです。唯一気にしたのはベゼルの色をケースとお揃いにすることだけ。

 そして、このベアボーン。
 買ってきたのはいいけれど、私はこのベアボーンのこと何も知りません。
 なんでこれにしたのかって? これしかなかったからです。手持ちのCPU、手持ちのメモリが使えそうなキューブPCが。
(母のマシンと同じベアボーンも中古で売ってたのですが、一瞬の隙に売れてしまってました)

 同じようなマシンを2台も組むのはつまらんので、これでいいやと思って買いました。

ベアボーンの、ドライブベイを外したところ。
Shuttle製らしい、通気性のよさそうな配置です。



 どうせベアボーンなんてパーツ集めて組んでしまえば出来上がり。簡単なもんです。
 と、その時は甘く考えてました。
 ところがこのベアボーンがトラブルの巣窟でした。
 といってもこの製品が粗悪品なわけではありません。キチンと調べて目的に合った物を買わなかった私が悪いのです。



トラブルその1・差さらない石

 このベアボーンの前面には「Core2Duo」と書かれたロゴが張られてました。
 しかし家に帰ってこの形式のベアボーンを調べてみると、適合するCPUの一覧に手持ちのE5200の名前がありません。
 なんと45nmプロセスのCPUは未対応らしいのです。ビミョーに古すぎるベアボーンを買ってきてしまいました。なんてこったい!
 一応E5200を差して動作確認してみましたが、やはりうんともすんともいいません。
 仕方なく母のPCに差さってたE2140(1.6GHz)とCPUを取り替え、どちらも動くようになりました。
 実を言うと母のPC(Shuttle K48)もE5200は正式対応してません。しかし差してみたら動きました。どうやらK48は45nmプロセスには対応しているもののCPUの動作倍率を整数倍でしか指定できないようで、本来200MHz*12.5倍のE5200が12倍でしか動いてません。正式対応してないのはそのせいでしょう。しかし動かないよりはいいにきまってます。
(すべてのE5200がK48で動くことを保証するものではありません。今回は動いたということです)

 弟用PCに差したE2140のほうは多少OCしてやりました(1.6GHz -> 2.0GHz)。



トラブルその2・DVIナッシング

 ええ。このキューブPCにはDVI端子がありません。もちろんHDMI端子もです。なんてこったい。
 承知の上で買ったのですが、いまさらアナログ端子を使う気などさらさらありません。幸いというか当然というか、このベアボーンにはPCI-eのグラボが差さるようになってます。手持ちの7600GS、まさかの出撃です。本当はキューブPCに余計な熱源は積むべきじゃないのだろうけど、仕方ありません。
 ドライバを入れ、7600GSはなんなく正常動作しました。



 しかし温度のほうは正常というにはほど遠い。アイドル時60℃、ベンチマーク時は80℃をゆうに超えています。
 なにしろキューブPCにファンレスのグラボという最悪の組み合わせですからね。
 たとえファンがあったとしても密閉された狭い空間の中。キューブPCにグラボを差すこと自体間違っているかもしれません。
 今回のPC制作にあたっての最大の課題です。



ほかにもささいなトラブルや不満な点が続々と

・なぜか一発で起動しない。
 電源を入れるとShuttleのロゴ画面で止まってしまう。リセットすると次から正常に起動。原因不明。

・前面3.5インチベイが開いたまま
 新品にはついていただろうパネルがありません。このままではかっこ悪いしホコリが入りそう。

・USB端子の不足
 前面2つ、後面4つ。少々心細いです。
 マザボに予備のUSBピン(らしきもの)があったので、市販の端子を差してみましたが、動作しません。
 マニュアルがないのでわからなかったのですが、どうやら間違って電源SWやらリセットSWやらアクセスランプ用のコネクタに繋いでしまったようです。


USB端子はここではありません!

 本当のUSBピンは一般の規格と異なるShuttle規格の小さいのがついてました。とりあえず現状では使えません。


・チップセットにファンがついてる
 このShuttle製ベアボーンはケースファンがCPUクーラーを兼ねた優れ物です。ケースファンは通常の8センチよりやや大きめで比較的静か。Bios等でスピードの制御もできます。
 にもかかわらず、チップセットには別途、専用のファンがついてるのです!


精悍な面構えのCPU周りと、対称的におマヌケなチップセットファン。


 これはShuttleを責めるわけにはいきません。どことは言いませんが低性能なくせに発熱だけはいっちょまえなチップセットを作った会社が悪いのです。
(母のPCも同じチップセットを使っていますがファンはついてません。暴走が怖いので私が後付けでチップセットファンを増設しました)
 騒音源が増えるのは困りものですが、試しにファンの電源を外して動かしてみたところ、騒音的には大差ないので元に戻しました。
 どうやら一番やかましいのは電源ファンのようですが、これはいじらないほうがいいでしょう。



 この中で一番問題なのは、やはりグラボの発熱です。
 弟は自分のPCを触られるのを嫌がるので、トラブルの種は今のうちに摘んでおく必要があります。
 発熱を外に出す「外排気型」のグラボに替えるのがいいと思いましたが、その手のグラボは大抵貴重なスロットを2つも使ってしまう。ただでさえ少ないスペースに図体のでかいものは積みたくないです。
 外排気型でなくとも7600GSよりも発熱の少ないグラボを選べばよいかとも思いましたが、熱が筐体に籠もるのは同じこと。ましてオンボード並の性能しかないグラボをわざわざ差すなんてスマートなやり方じゃありません。

 全てを解決する方法は… ひとつだけあります。しかし勇気のいる方法です。


横穴式グラボ

 グラボ用に横穴の開いたベアボーンがあればいいのです。でもキューブPCでは見たことないですね。
 そもそもグラボによってファンの位置は違うので、それに合わせて横穴を作るなんて無理なことです。
 個人が勝手にやるなら可能ですけどね。
 というわけでやってみました。


 まずはこのグラボに合うファンを見繕ってみます。
 さいわいファンの予備なら段ボール一杯分ほどあります。




 比較した中で最適と思われたのはこのファン。


 某メーカーの純正CPUクーラーです。

 本来の使い方をしてた時はやたらやかましいので取っ払ったのですが、なぜかこのベアボーンに取り付けると静かでお上品になりました。周囲のパーツがインテルとかnVidiaといったライバル勢ばかりなので、それで大人しくしてるのかもしれません。

 多少加工することで、うまくグラボにつけられそうです。


 サイズもなぜかぴったりです。コードの長さまであつらえたもののように(なぜだろう?)。

 ファンが決まれば、大きさや位置に合わせて筐体側を切り刻みます。
 ケースが新品ならためらったでしょうが、中古なら気軽にやっちゃえますね。

 まずはドリルでこまめに穴を開け… あとはヤスリでギーコギコ。


ファンのガードもネジ止めして、こんな感じになりました。 前面の3.5インチベイも、完全に塞ぐのは熱的に不安なので
アルミメッシュ板にしてみました。
まあ気休めですが。


騒音対策として、消極的ながらこんなこともしてみました。 筐体の「びびり」を防ぐ意味で。何もしないよりはマシでしょう。


これで完成といたします。


グラボ用に増設したファンは、特にネジ止めなどはしてません。
うまい具合にグラボと外板にはさまれて固定されてます。


 横につけたファンのせいでケースの開け閉めが非常に困難になりました。その対価として熱への不安はなくなりました。後悔はしてません。
 PCとしての性能は、まあ想像してもらえればわかると思います。弟のことだからこのスペックで5年は使ってくれるでしょう。



 「ベアボーンで組む」というお手軽な自作のはずが、思いのほか切ったり張ったりと色々楽しめました。

 来年はインテルの「Sandy Bridge(サンデーブリッジ)」、AMDの「Fusion(フュージョン)」と両メーカーが渾身の製品を出してくる当たり年ですね。来年の自作が今から楽しみです。私の狙い目はもちろんFusionです。


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