しいちゃま作品データベース
Shizue Takanashi works

・特に記載のないものは全て「なかよし」及び姉妹誌に掲載された作品です。
・「KCN」とは「講談社コミックスなかよし」のことです。
・残念ながら現在、しいちゃまの単行本は『おジャ魔女どれみ』以外は絶版のようです。
・このデータベースはいまだ不完全です。特に単行本未収録作品に関しては不備が多くあると思われます。皆様からの情報提供を心よりお待ちしております。

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アニメ「おはよう! スパンク」より『愛子のテーマ〜心の扉を誰かがたたく』
MIDI打ち込み ☆SUNNY☆さん Special Thanks!!

単行本 
(2003/10現在・28冊)

ほかに、『おはよう!スパンク』の文庫本(全4巻)があります。
また「なかよし読みきり傑作選1976〜80」に『ジャムおじさんのいぬ』が掲載されてます。

単行本名 収録作品 掲載誌
ポケットいっぱいの
 
KCN252 (76' 10/5)
「ポケットいっぱいの夢」
「空色の風船のお話」
「ひでくんの手紙」
「ねこさんみつけた」
「ひまわり咲いた」
「風のある日の午後でした」
76年8月号
76年別冊第5号
76年6月増刊号
75年6月増刊号
75年8月号
75年10月号
こっちむいてスーキー
 
KCN265 (77' 2/5)
「こっちむいてスーキー」
「魔法のビンづめあ〜げる!」
「季節はずれのサンタさん」
「ジャムおじさんのいぬ」
76年10〜12月号
76年別冊第1号
76年4月号
76年9月号
ぼくの鈴ちゃん
 
KCN272 (77' 5/4)
「ぼくの鈴ちゃん」
「ひろちゃんのやってきた日」
77年2月号(ふろく)
77年3月号
しあわせ色の風景
 
KCN285 (77' 11/5)
「しあわせ色の風景」 77年5〜10月号
おはよう!スパンク
(第1部・全4巻)

第1巻 KCN303 (78' 6/5)
第2巻 KCN321 (79' 2/5)
第3巻 KCN334 (79' 8/4)
第4巻 KCN343 (79' 12/5)

「おはよう!スパンク」
 (原作・雪室俊一)
78年2月〜79年12月号
(79年6月号は休載)
オレンジ通信
 
KCN367 (80' 11/5)
「オレンジ通信」 80年2〜6月号
スパンクWAOWAO探偵団
 
KCN386 (81' 8/5)
「スパンクのWAOWAO探偵団」
「1月なかば春の色」
80年9月号(ふろく)
「なかデラ」79年1月号
おはよう!スパンク
(第2部・全3巻)

第5巻 KCN377 (81' 3/14)
第6巻 KCN391 (81' 10/5)
第7巻 KCN404 (82' 3/5)
「おはよう!スパンク」
(原作・雪室俊一)
80年10月〜82年3月号
ほほえみZOOミング
(全2巻)
 
第1巻 KCN423 (82' 11/5)
第2巻 KCN435 (83' 4/6)
「ほほえみZOOミング」
(原作・安芸永里子)
第2巻同時収録
「スーパーマンになれなかったよ」
「ガリ勉桃ちゃん恋の詩」
「ヒーローに愛の手を!」
82年4〜12月号


80年7月号
「なかデラ」79年1月号
「なかデラ」81年11月号
秘密のう・ふ・ふ
 
KCN469 (84' 5/4)
「秘密のう・ふ・ふ」
「杏ふう○秘アップルパイ」
「あいつのハートは50cc」
「はじめましての恋だから」
「悪魔でいいとも!」
83年9月号
「なかデラ」83年7月号
83年11月号
「なかデラ」84年2月号
84年2月号(ふろく)
ちゃんのぼうし
(全2巻)

第1巻 KCN490 (85' 2/6)
第2巻 KCN518 (85' 11/6)
「空ちゃんのぼうし」 84年8月〜85年7月号
海ちゃんどんな色?
(全3巻)

第1巻 KCN546 (86' 8/6)
第2巻 KCN565 (87' 3/6)
第3巻 KCN571 (87' 5/6)

「海ちゃんどんな色?」
 第3巻同時収録
「まる・ばつ・さんかく」
86年1月〜87年3月号

85年9〜11月号
おまかせランチ
 
KCN596 (88' 1/6)
「おまかせランチ」
「コンプレックスはりねずみ」
「こんぺいとうマジック」
(原作・藤本ひとみ)
87年9〜11月号
「なかデラ」87年4号
「なかデラ」84年12月号

ハートの
 ―おまじないコミック集―

 
KCN613 (88' 9/6)
「ハートのないしょばなし」
「ないしょのミルキーリップ」
「ないしょのたんぽぽ予報」
「ないしょのハンカチメッセージ」
「夢のびんづめいかが?」
87年12月号
88年2月号
88年4月号
88年増刊号
「なかデラ」88年1月号
たのし荘便り
 
秋田書店 ACエレガンス
第1巻  (99' 2/10)

「たのし荘便り」 秋田書店「for Mrs.」
97年3月〜2001年5月号
隔月連載
おジャ魔女どれみ
(1〜3巻)

第1巻 KCDX1349 (2000' 10/6)
第2巻 KCDX1350 (2000' 11/6)
第3巻 KCDX1366 (2000' 12/6)

「おジャ魔女どれみ」
(原作・東堂いづみ)
99年3月〜2003年1月号
(2000年10月
 2001年9月
 2002年9月号は休載)
も〜っと!おジャ魔女どれみ
 
第1巻 KCDX1502 (2002' 1/5)
(同上)
※「なかデラ」 … 「なかよしデラックス」(「なかよし」の別冊誌)のことです


単行本未収録作品

絶対これ以外にもあると思うけど、とりあえず知ってる作品名だけ載せました

作品名 掲載誌
「桃太郎よりお星さまへ」 なかよし別冊1975年1月号 ※デビュー作
「恋しちゃいやあん」 (75年)
「窓からごめんね」 「なかよし」75年7月号
「海にいるのは…」 「なかよし」76年1月号
「ピーターパンはだあれ?」 「なかよし」77年12月号
「月夜にぽよよ〜ん」
「おひさま@ぽよよ〜ん」
「なかよし」91年6〜8月号
「るんるん」91年8月号
「くまさん かれんだー」 「なかよし」91年12〜95年1月号
「わん・つー・すりーぷ」 「るんるん」92年8月号
「さよならキューピッド」 「なかぞう」93年春休み号
「さんすうザウルスてらのくん」 「るんるん」93年冬休み号
同・5月号〜95年7月号
「わくわくゲーム王国」 「るんるん」96年1〜7月号
「ベアたちのゆーがな休日」  「るんるん」97年1〜7月号
「ビーズアクセサリー」 97年「なつやすみランド」
「ドーナツにはご用心」 99年「ふゆやすみランド」
「パオパオマヤマヤ」 2002年「はるやすみランド」
「約束の海」 ヤング・レディ増刊『BE in LOVE』
(掲載年等不明)
※「るんるん」 … 「なかよし」別冊号。98年、休刊。
※「なかぞう」「○○やすみランド」 … 「なかよし」増刊。



年表

上記のデータをもとに、簡単な年表をこさえてみました。

連載作品 読み切り作品
1973年
なかよしまんがスクールに投稿。
努力賞をとる。
(「帽子とんじゃった」)
1974年

1975年
・デビュー

「桃太郎よりお星さまへ」
「恋しちゃいやあん」
ねこさんみつけた」
「ひまわり咲いた」
「風のある日の午後でした」
1976年 「こっちむいてスーキー」
(76'10〜12)
「魔法のビンづめあ〜げる!」
「季節はずれのサンタさん」
「空色の風船のお話」
「ひでくんの手紙」
「ポケットいっぱいの夢」
「ジャムおじさんのいぬ」
1977年 「しあわせ色の風景」
(77'5〜10)
「ぼくの鈴ちゃん」
「ひろちゃんのやってきた日」
「ピーターパンはだあれ?」
1978年 「おはよう!スパンク」
(78'2〜79'12)

1979年 「1月なかば春の色」
「ガリ勉桃ちゃん恋の詩」

1980年

「オレンジ通信」
(80'2〜6)
「スーパーマンになれなかったよ」
「スパンクのWAOWAO探偵団」
 
「おはよう!スパンク」
(80'10〜82'3)
 
1981年
・スパンクアニメ化
・第5回講談社
 漫画賞受賞
「ヒーローに愛の手を!」

1982年


「ほほえみZOOミング」
(82'4〜12)
1983年
「杏ふう○秘アップルパイ」
「秘密のう・ふ・ふ」
「あいつのハートは50cc」
1984年 「空ちゃんのぼうし」
(84'8〜85'7)

「はじめましての恋だから」
「悪魔でいいとも!」
「こんぺいとうマジック」

1985年


「まる・ばつ・さんかく」
(85'9〜11)
1986年 「海ちゃんどんな色?」
(86'1〜87'3)


1987年 「コンプレックスはりねずみ」
「ハートのないしょばなし」
「おまかせランチ」
(87'9〜11)
1988年
「夢のびんづめいかが?」
「ないしょのミルキーリップ」
「ないしょのたんぽぽ予報」
「ないしょのハンカチメッセージ」
1989年/
1990年
(産休なさっていたと思われます)
1991年 「月夜にぽよよ〜ん」
(91'6〜8)
「おひさま@ぽよよ〜ん」
「くまさん かれんだー」
(91'12〜95'1)

「さんすうザウルスてらのくん」
(93'1〜95'7)

1992年 「わん・つー・すりーぷ」
1993年 「さよならキューピッド」
1994年
1995年
1996年 「わくわくゲーム王国」
(96'1〜7)

1997年 「ベアたちのゆーがな休日」
(97'1〜7)
「たのし荘便り」
(97'3〜2001'5)
「おジャ魔女どれみ」
(99'3〜2003'1)

「ビーズアクセサリー」
1998年
1999年
・どれみ
 アニメ開始
「ドーナツにはご用心」
2000年
2001年
2002年 「パオパオマヤマヤ」

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しいちゃまの作品はデビュー作から最新作に至るまで全部好きなのですが、
その中でも特に好きな作品や思い出深い作品について語ってみました。

・「桃太郎よりお星さまへ」

 記念すべきしいちゃまのデビュー作。にもかかわらず単行本未収録のため幻の作品となっています。
 デビュー作とは思えないほどよくできた作品です。当時のしいちゃまの意気込みが伝わってくるようです。そして何よりうれしい事に、しいちゃまならではのあったかハートがこの作品からもしっかり感じられるのです。
 デビュー当時からしいちゃまはしいちゃまだったんですね。


「ぼくの鈴ちゃん」

 不思議でならない事があります。作者の一生懸命は、なぜ読者に伝わってしまうのでしょう。創作物は時に、本人と向かいあって話すよりずっと、その人の本心を伝えてくれます。
 「ぼくの鈴ちゃん」はとても一生懸命かかれた作品です。痛いほどにそれが伝わってきます。絵もストーリーも今のしいちゃまと比べるとまるで未熟なのに。でも技術とか美しさとか、そんなものよりもっと大事なものがここにはあります。
 読者の心をとらえるためには、心を込めてかくこと。そんな当たり前のことを、このマンガを読み返すたびに教えられます。


「おはよう! スパンク」

 この作品でしいちゃまは、それまで得意としていた優しい持ち味に加え、コミカルな才能をも開花させました。そういう意味でも、しいちゃまを語るうえで欠かせない作品ですね。
 ちなみに原作者の雪室俊一さんはアニメシナリオを数多く手掛けるベテランです。「ムーミン(旧)」「子鹿物語」、「キテレツ大百科」、「あずきちゃん」などはこの人でなければあれほどの名作にはならなかったでしょう。最も尊敬するライターの一人です。
 「スパンク」はアニメにもなりましたが、マンガとアニメでは多くの違いがあります。でもあったかくてやさしいしいちゃま作品の本質は見事に受け継がれています。アニメスタッフの努力と才能と愛情を感じます。


「一月なかば春の色」

 獣医の家の娘の由衣ちゃんと、彼女の家に下宿する事になった動物ぎらいののぞみクンの、ちょっとコミカルでちょっぴりせつない春色のラブストーリー。
 しいちゃまがもっとも得意とするキャラクターは、いうまでもなくかわいい動物たちですが、それに加えて、もう一つしいちゃまが得意なのがちっちゃな男の子。この話でも由衣ちゃんの弟俊作くんがかわいいキューピット役となって二人のあぶなっかしい恋をとりもってくれます。
 これ以上はないというくらい、しいちゃまのエッセンスのギュッとつまった作品です。


・「ガリ勉桃ちゃん恋の詩」

 婦人警官になるため猛勉強を続ける桃子は、彼氏の友人だった竜崎さんに弟の家庭教師をたのまれる。悲しい過去を断ち切れない桃子。竜崎さんは、そして弟のたくまは、そんな桃子に笑顔を取り戻してあげられるだろうか…
 この作品をいつものしいちゃまのようにほんわかぱっぱーなマンガだと思って読むとヤケドしてしまいます。しいちゃまの作品中おそらく一番シリアスなこの話は、しいちゃまの最も多忙な時期、「スパンク」連載中に「一月なかば春の色」とほぼ同時期に描かれたものです。滅多にシリアスものを書かないしいちゃまが渾身の力で描いたこの作品の素晴らしさは言うまでもありません。それだけでなく同時掲載の「一月なかば…」との明、暗の対比、そのバランス感覚が絶妙です。この時期は質、量ともにしいちゃまの創作活動の一つの頂点といえるでしょう。


「あいつのハートは50cc」

 バイクが好きないずみちゃんと、そんないずみちゃんが好きな慎吾くん。でも慎吾くんの乗ってきたバイクはダサダサの50cc。ありがた迷惑ないずみちゃんだったんだけど…
 しいちゃまはあきれるくらい動物の絵が得意ですが、その、なんていうか、車やなんかの絵はあまりお得意ではないようで… ディズニーランドのトゥーンタウンに行くとしいちゃまが描くのと同じような車に出会えますが、あれに乗って公道を走りたいとは思わないです。
 ところが!  この作品はなんとそんなしいちゃまが描いた熱血青春朝焼けバイクストーリーなのです。しいちゃまのバイクマンガはこれが最初でおそらく最後でしょう。貴重!


「はじめましての恋だから」

 デートで多忙の友だちになり代わって、身代わりデートする事になってしまった綾ちゃん。ボランティアのつもりがいつしか…
 この時期のしいちゃまの作品は絵的にもストーリー的にもかわいいものが多いですが、なかでもこのお話の主人公綾ちゃんは珍しく黒髪の女の子という事もあって、かわいらしさは格別です。(ていうか単に私ごのみなだけだったりして…)


「空ちゃんのぼうし」

 私はこれでハマりました。何といっても空ちゃんがかわいいのかわいくないの! 日本一ネコ好きのマンガ家しいちゃまが描いたネコ耳女の子ですからかわいいのも当然、今どきのありがちネコミミ娘など比較になりません。空ちゃんだけじゃなく、抱きしめたら折れちゃいそうなすて吉(元すてネコ)がまたかわいい!
 この当時は少女漫画をいろいろ読んでましたが、「なかよし」より「りぼん」の方が元気がありましたね。池野恋の「ときめきトゥナイト」、本田恵子の「月の夜星の朝」、萩岩睦美の「パールガーデン」(個人的には「銀曜日のおとぎばなし」が好き)、佐々木潤子の「エース!」、そして岡田あーみん大先生の「お父さんは心配性」、それに水沢めぐみの「ポニーテール白書」、さくらももこの「ちびまる子ちゃん」とまさに怒濤のラインナップ、双子山部屋もびっくりの豪華な顔ぶれです。これでは「なかよし」に勝ち目などありません。それでも「空ちゃん」の付録ほしさに「なかよし」買ってました。当時、阪急北千里線の電車の中でにやけながら「なかよし」を読んでいたむさい学生をみかけた人がいるかもしれませんが、それは私です。


「こんぺいとうマジック」

 バスケの得意な緑川くんに憧れてた菜穂子ちゃん。自分のせいで試合に出れなくなった緑川くんを元気づけるために菜穂子ちゃんが考えたこんぺいとうマジックとは!?
 しいちゃまはいままで何度か原作者とペアを組んで作品を描いてますが、しいちゃま一人で描いた作品の方が私は好きです。しいちゃまの感性はあまりに繊細すぎて原作者が割って入る事でその繊細さが壊れてしまうように思えるのです。
 でもこの「こんぺいとうマジック」だけは全く違和感のない、しいちゃまらしさに満ちた作品にしあがってます。それに加えて原作者藤本ひとみさんの手による極めて巧みな話の構成。この時期のしいちゃまを代表する傑作だと思います。よほどしいちゃまと藤本さんの相性がよかったのでしょうね。


「海ちゃんどんな色?」

 「空ちゃんのぼうし」はとても楽しい話だったのですが後半しんみりした話になったりして、しいちゃま自身それを気にしていたみたいです。そんな事もあって、次の連載作品であるこの「海ちゃん」は、かなり意識的にネアカな作品になってます。
 そのノー天気さといい、魔法ものというジャンルといい、現在連載中の「おジャ魔女どれみ」に一番近い作品かと思います。


「おまかせランチ」

 この作品でしいちゃまは、自分と等身大の女の子を描くのではなく、大人の視点から見た子供を描こうとしています。絵柄もかわいらしさより表情の豊かさを求めたものに変わってきています。
 そして、しいちゃまはさらに優しくなりました。女の子の持ってる優しい気持ちだけでなく、母親の持つ「包み込む優しさ」みたいなものを感じます。短期間の連載ながら充実した内容の作品となっています。


「ハートのないしょばなし」

 バレエ学校に通う仲よしの冬子ちゃんと里美ちゃん。占いをきっかけに遊びで始めた恋がエスカレートして、いつしか二人は本当の恋敵になってしまいます…
 しいちゃまがおまじないのコミックを書いていると知ったときには正直がっかりしました。明るく、優しく、そしていつも前向きに生きようとする気持ち、そんな健全さがしいちゃまのマンガの魅力なのに、なんで占いやおまじないに頼る女の子の話なんか書くんだろう…
 ところが実際に読んでみてびっくり。そんな浅はかな私の考えなどふっとんでしまうほど面白い話でした。男には分からなかったけど、おまじないって女の子にとって大人になるためのとても大事な儀式だったんですね。
 この作品でしいちゃまに対する見方が変わりました。やさしさやかわいらしさだけではなく強さも兼ね備えた、真に才能のある人なんだと気づかされました。「おまかせランチ」の頃からうすうすそんな気がしてたけど。


「夢のびんづめいかが?」

 思った事を口に出せないひっこみ思案なひな子ちゃんの、ちょっと不思議な体験談。
 「おジャ魔女どれみ」しか知らない人には想像もつかないでしょうが、こういう内気な女の子の話を描かせたらしいちゃまの右に出る人はいません。独断場といっても過言ではないでしょう。でもしいちゃまは滅多にこのての話を書きません。
 才能の出し惜しみというのではなく、バランス感覚の問題なんですね。こういうのはたまに書くからいいんです。そこんとこ、しいちゃまはさばけてるっていうか、さすがベテランっていうか、オトナです。ニクいばかりの余裕です。


「ないしょのたんぽぽ予報」

 恋のおまじないが得意と評判の麻美ちゃんが初めて自分のために使ったのは、満月の夜にたんぽぽの花に願いをかける素敵なおまじない…
 『ハートのないしょばなし』に収録されている5つの短編はどれも素晴らしいですが、なかでも一番のお気に入りがこれ。しいちゃま持ち前の溢れんばかりのやさしさに加え、巧みに計算された構成力にプロとしての底力を感じます。最高傑作かもしれません。


「ないしょのハンカチメッセージ」

 変わった作品です。しいちゃまの描く女の子はとても思いやりがあって、というか思いやりがありすぎて自分の事そっちのけというパターンが多いのですが、この話の主人公美加ちゃんは自分と彼氏の事しか見えてません。
 しいちゃまの描く女の子って春の日差しのようなあったかいイメージがあるんですが、美加ちゃんは真夏のギンギンのお日さまです。強くてわがままな光を放ってます。そのわがままがなぜかちっともイヤ味にみえない。たまにいるでしょ、何をやっても許せてしまう不思議な魅力に満ちた子っていうのが。美加ちゃんがそうなんです。
 なんでしいちゃまに美加ちゃんみたいなキャラが描けるのでしょう。今まで描いた事もないようなキャラを初めて描いて、しかも見事に描ききってしまう。しいちゃまって、みんなが思っているよりよほど懐の深いクリエイターに違いありません。絶対にその才能を表に出そうとはしませんけどね。


「月夜にぽよよ〜ん」/「おひさま@ぽよよ〜ん」

 母さんの療養のため田舎に越して来たつくしちゃん一家。でもその村は童話作家の父さんが言ってた「幻の村」にそっくり。つくしちゃんの元気いっぱい冒険ファンタジー。
 メルヘンものが得意なしいちゃまですが作品の数は意外に少なく、本格的なものは「空ちゃん」とこの「ぽよよ〜ん」くらい。それだけに単行本未収録なのが惜しまれます。どことなく話の設定が某宮崎アニメに似てるのはご愛嬌。
 「おひさま@ぽよよ〜ん」は「月夜にぽよよ〜ん」の番外編(本編より2年ほどさかのぼった話)です。自分が生んだキャラクターへの、しいちゃまの愛情のほどを伺い知る事ができます。
 しいちゃまは猫の目のように絵の作風が変わる人ですが、この時期の絵がもっとも洗練されているように思います。絵本作家のような品のよさを感じます。ところが最近ではまたそれを崩しにかかっているようで… まったく、おかしな人です。


「くまさん かれんだー」

 「なかよし」に月2ページのペースで書かれた「わんころべえ」のような作品。ごめんなさい。私ほとんどこれ読んでません。
 いいわけにしかなりませんが、いい年した独身男性が「なかよし」を買うのってとても恥ずかしいのです。特に仕事帰りにうっすらとあごひげの浮かんだ顔で、『「なかよし」ください』なんて、私にはとても耐えられません(おそらく本屋の店員にとっても耐えがたいでしょう)。みかけによらず男ごころは繊細なんです。こんな時、娘の一人もいればよいかくれみのになるのですが。今はただ単行本化される事を祈るだけです。


「たのし荘便り」

 『しいちゃまがレディースコミックを書いている!』
 とんでもない噂が私の耳に入ってきました。まさか、うちのしいちゃまに限って!?
 そんな恐れをいだきながらこわごわ読んだ「フォアミセス」。けれどとても良心的な雑誌でした。そしてもちろん、しいちゃまのあったかハートは健在でした(一瞬でもしいちゃまを疑った私がバカでした)。いまやミセスの仲間入りをしたしいちゃまが久々に等身大の主人公を描いていて、今のしいちゃまの気持ちがストレートに伝わってきます。て事はしいちゃまの精神年齢は23歳って事? ちなみに主人公の奈緒ちゃん、メチャかわいいです。
 単行本の巻末には『だけど猫が好き』というおまけマンガがついていて、日頃自らを語る事の少ないしいちゃまの近況を伝えてくれます。うれしい事づくめの一冊ですが唯一、しいちゃまの名前からあのハートマークが消えてしまった事が残念ですね。
 ほぼ10年ぶりの単行本になるのですが、久しぶりという感じはなかったです。しいちゃまはいつも自分の心の中にいましたから。(マジです)


「おジャ魔女どれみ」

 しいちゃま、晴れて「なかよし」完全復活! しかも同時アニメ化! ああ、夢のようです。生きててよかった!! もちろんハートマークのロゴも復活だ!
 アニメの方もかなりの人気のようで嬉しい限りです。「スパンク」の時もスタッフに恵まれていましたが、今回も文句のつけようがない豪華なスタッフ。これもしいちゃまの御人徳のたまものでしょう。


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