『どれみ』を斬る!

 

4年近くにわたって「なかよし」と姉妹誌に連載された『おジャ魔女どれみ』シリーズ。
 アニメとは一味もふたあじも違うコミックス版を、
ファンの視点から可能な限り『冷静』かつ『辛口』に評価してみようと思います。
(といいつつ、ただの読書感想文だったりして)

 
3月号 4月号 はるやす
ランド
5月号 6月号 7月号 8月号 9月号 10月号 11月号 12月号 1月号 ふゆやす
ランド
2月号
( 無印) 第1話 第2話 番外編1 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話 第11話 第12話
 
インターミッション〜「なかよし」作家陣を斬る!
しゃーぷっ *
第13話
第14話 第15話 第16話 第17話 第18話 第19話 第20話 第21話 第22話 **
番外編2
第23話
 
インターミッション〜しいちゃまのウィークポイントを探る
も〜っと! 第24話 *
第25話
**
番外編3
*
第26話
第27話 第28話 第29話 第30話 *
第31話
*
第32話
*
第33話
第34話
ドッカ〜ン! 第35話 第36話 *
第37話
第38話 **
第39話
第40話 *
第41話
第42話 第43話 第44話  
第1巻収録 第2巻収録 第3巻収録 も〜っと1巻収録  (無色) 単行本未収録

管理人お勧めの回  * … good choice  ** … Best choice!




弟が しいちゃまタッチのどれみたちを描いてくれました!

連載前夜

 ファンの夢、しかしあきらめていた夢が遂に叶う。しいちゃまの「なかよし」復活。
 しかし、しいちゃまはすでに『たのし荘便り』の連載を抱えている。連載のかけもちはおそらくしいちゃまにも初めてのこと。大丈夫か、しいちゃま。だがかつて『スパンク』ブレイク時にもハードスケジュールをこなしてこられたしいちゃまのこと、必ずやり遂げて下さるに違いない。頑張れ!




おジャ魔女どれみ

第1話 (「なかよし」1999年3月号 P187〜P207)
 魔法に憧れる『世界一不幸な美少女』どれみは仲良しのあいこ、はづきと一緒に謎の店「MAHO堂」を見つけます。女主人マジョリカの正体を見破ってしまったどれみたち。カエルになったマジョリカを元の姿に戻すためどれみたちは魔女見習いにさせられてしまいます…

 期待と不安の渦巻く中、とにかく『はじめてづくし』の第1話でした。しいちゃまが関西弁のキャラ(あいこちゃん)を描くのはおそらく初めての事だし、マジョリカのようなキャラも初めてだと思う。カエルになる前のマジョリカ、マジで怖いです。
 そして何よりしいちゃま自身、久々に「なかよし」読者を前に緊張してるのが感じられますね。ええ、ファンにはわかるんです。私自身まるで父兄参観のようにドキドキしながら読んでました。
 話の内容は第1話ということもあり、まだまだこれから。でも期待していいですよね、しいちゃま。




第2話 (「なかよし」1999年4月号 P321〜P336)
 魔女見習い「おジャ魔女」になったどれみたち。魔法の元、魔法玉を集めるために「MAHO堂」で商売を始めます。いじわるなクラスメート、小竹がどれみの作ったグッズを買ってくれたのはいいけれど…

 カエルになってからのマジョリカがかわいい! 元々マスコットキャラを得意とするしいちゃま。まさに水を得た魚です。いっぽうどれみたちの描き方にはまだ迷いが感じられます。しいちゃまと「なかよし」読者層の間には親子ほどの年齢差があるのですから、悩むなというほうが無理なのですが、しいちゃまが正しいと信じるものをそのまま描けばいいと思います。




番外編「ぽっぷのはじめてのおつかい」 (「なかよし増刊はるやすみランド」)
 おばあちゃん家におつかいに行くことになったぽっぷ。心配なママはどれみにこっそり後をつけさせるのですが…

 さあ、今回の主役はおまちかねのぽっぷです。なんでおまちかねかというと、太古の昔からイヌネコとガキンチョを描かせたらしいちゃまの右に出るものはいないと決まっているからです。連載が始まった時から「この子はいつかやってくれる!」とぽっぷにチェック入れてたのですが…
 残念ながら、というかストーリーはアニメと全く同じ。しいちゃまならでは、という何かが感じられませんでした。逆にアニメの方がぽっぷの使い方がうまいですね。というわけで、残念ながらまだ先生の真価が発揮できているとは言えません。頑張れしいちゃま!




第3話 (「なかよし」1999年5月号 P303〜P317)
 クラスの花だん係になったどれみ。ところが何者かが花だんを荒らしてしまいます。花だん荒らしを退治するためにどれみが立ち上がる!

 笑ってしまいました、表紙絵のどれみ。麦わらぼうしにほっかむり、左手にじょうろ、右手にスコップ、そしてエプロンに長靴。少女マンガのヒロインとは到底思えません。どうみても掃除のおばちゃんです。お目々パッチリの美少女を描き続けてきたしいちゃまが、あの愛ちゃんを、空ちゃんを描いてきたしいちゃまがとうとうこんな絵を描くようになるとは… 人間、変われば変わるものです。しかし明らかに楽しんで描いてますね。ビバ、しいちゃま!
 しかし… 喜んでばかりいられません。なんですかこの話の展開。ひどいです、原作の東堂さん。よりによって花だん荒らしの犯人が悪い野犬たちだなんて。ただでさえ悪人、悪役を描くのをいやがるしいちゃまなのに。そして動物を心から愛するしいちゃまなのに。そのしいちゃまに悪役の犬を描けとは! 東堂さん、あなたは『スパンク』を読んだことがないのですか、それでもしいちゃまのパートナーですか。これじゃまるでしいちゃまに踏み絵をさせるようなものです。
 けれどしいちゃまはオトナです。黙って自分に与えられた仕事をこなす、プロの鑑です。私は改めてしいちゃまに惚れ直しました。それに話のいきがかり上、どれみが犬に変身するのですがそのどれみイヌがかわいい! さ〜すがはしいちゃまです。おみそれしました。 




第4話 (「なかよし」1999年6月号 P187〜P207)
 突如「MAHO堂」に遊びに来たぽっぷ。マジョリカをぬいぐるみと思い込み、すっかりお気に入り。『ブニュちゃん』と名付けてかわいがる。ところがブニュちゃん、アヒルにさらわれて…

 ちっちゃい子を描かせたらしいちゃまの右に出るものなし、という私の評価が正しかったことを(遅まきながら)証明してくれました。ぽっぷちゃん存在感たっぷり。特に下着姿がラブリー。ママが縫ってくれた「ばらぐみ ぽっぷ」という名札が泣かせます。仲が悪そうで実は仲良しのどれみおねえちゃんとの名コンビもグッド。まあ、しいちゃまの実力をもってすればこのくらい当然でしょうが。
 それにしても前回に続き笑撃的な表紙絵。マジョリカのアップときましたか。壁紙にしたいです。最後のオチがマジョリカというのも定番になりつつあります。しいちゃまは『どれみ』をギャグマンガにするつもりのようです。




第5話 (「なかよし」1999年7月号 P101〜P115)
 魔法問屋のデラ登場。たまりにたまったツケを今日こそは払ってもらうと言われ必死にとりなすマジョリカ。そんな折りデラの帽子が何者かに盗まれてしまう。取り返さないと!

 「なかよし」をめくってて焦りました。『どれみ』が載ってない!
 と思ったらいつもより思いきり前のページにあってほっとするやら嬉しいやら。アニメ効果のおかげとはいえ、お気に入りのマンガ家が上位ランキングされてるのは嬉しいものです。
 連載も回を重ねるにつれ絵もこなれてきて、ようやくしいちゃまらしくなってきたかと感じます。ただ、東堂さんの原作としいちゃまのマンガがまだしっくりいってないというか… これは私個人の意見ですが、東堂さんに限らず、しいちゃまが原作者と組んであまりうまくいったためしがないのです。
 シナリオライターがストーリーを作る際、一番てっとり早いのは悪役を作って主役と対立させる事です。しいちゃまはそれを知っていながら悪役を描こうとはしません。それはしいちゃまの作品の弱さでもありますが、ほかの誰にも代わりのつとまらないしいちゃまならではの魅力なのです。だから原作者が何の気なしに書いた悪役が、冷たいセリフひとことがしいちゃまに、そしてそのファンに悲しい違和感を覚えさせるのです。
 まあ、ないものねだりしても仕方ありません。2本の連載を抱えるしいちゃまには原作者という助っ人は必要ですし、与えられた条件の中でしいちゃまが最善を尽くしているのも事実なのですから。 




第6話 (「なかよし」1999年8月号 P237〜P251)
 マジョリカはつもり積もった借金をチャラにしようと仇敵マジョルカと賭をするが破れ、なくなく「MAHO堂」を手放す。そんなマジョリカをなじるどれみたちだが、新たに「MAHO堂」を再建しようと頑張る!

 表紙絵が最高です。草むらに寝っころがるどれみたち。特にマジョリカ最高。見てるだけでこっちまでしあわせな気分。でもララがキャッチコピーに完全につぶされてます。何考えてるんでしょ。単行本買えという事か。
 表紙絵だけでなく内容も、今まででいちばん、しいちゃまらしい温かさ、やさしさに満ちていると思います。ようやくしいちゃまがキャラを手の内にしたと言えるかもしれません。マジョリカなんかもう書きたい放題に書きなぐってる感じですしね。
 しいちゃまが昔と変わらないハートを持っているのはもちろん一番嬉しい事なのですが、もう一つ嬉しいのは、しいちゃまがちゃんと時代についていってるという事。今どきの子供の考え方とかしゃべり方、服のセンスとかをよく研究されていると思います。かつてヒットを飛ばした巨匠ほど過去の栄光にすがってそういった不断の努力をおざなりにしてたりするものですが、しいちゃまは自分を見失うことなくキチンとその時代のマンガを描いてます。『どれみ』を描くにあたってはいろんなご苦労があったと思いますが、それに見合ったものが得られたのではないでしょうか。しいちゃまは、やはり偉大なプロです。
 まあそれはそうとして、どれみはつくづく掃除のおばちゃんルックが似合いますね。だけじゃなくて目が生き生きしてるもんね。




第7話 (「なかよし」1999年9月号 P121〜P135)
 「MAHO堂」をとりかえそうと立ち上がったどれみたちはマジョルカの目をすりぬけて魔女界へ潜入する。だがそこでどれみたちを待っていたのはなんと「薪割り」仕事だった!?

 回を追うごとにあいこちゃんの頑張りが目立ちます。しいちゃま初の関西弁キャラという事で大いに不安でしたが、実にいい味出してます。大阪出身の私が読んでも違和感がないので、的確な助言をうけているのでしょう。ひとこと言っていただければ手取り足取りご指導してさしあげるのに残念です。なお、蛇足ながら… マジョリカ、あんたまで関西弁になっとるぞ!(単行本第1巻107P)関西弁って伝染するんだよね〜、怖いこわい。
 いっぽうのはづきちゃんは… 影うすいですね。以前のしいちゃまならはづきのほうが得意でどれみみたいなキャラは描けなかったと思うんだけど。しいちゃまは変わりました。でも前向きに変わったと思います。




第8話 (「なかよし」1999年10月号 P101〜P115)
 魔女界で「クルールポロン」を得てパワーアップしたどれみたち。折しも街の人々は「元祖MAHO堂」で買ったグッズの副作用に苦しめられていた。マジョルカをやっつけて「MAHO堂」を取り戻すのは今しかない!

 どれみたちが空から「MAHO堂」グッズをばらまくシーンが圧巻ですね。こういうメルヘンチックなしいちゃま、大好きです。滅多にこういうの描いてくれないけど… 『空ちゃんのぼうし』『くまさん かれんだー』などメルヘンチックな印象の強いしいちゃまですがその実、しっかと現実を見据えたマンガ家だと思います。A型の血がそうさせるのでしょう。
 ただこの回、悪役のマジョルカが弱いですね。悪役苦手なしいちゃまだから無理もありませんが。いや、悪役描くのをうまくなってほしいんじゃなくて、やはりしいちゃまのマンガに悪役は似合わないです。
 なお、大筋には関係ないけど、表紙絵がいいですね。新ポロンを持ったどれみが小山ゆうの描いた高杉晋作みたいで凛々しいのですが(混乱を招く説明)なぜか単行本では13話の表紙絵になってます。不思議。本当に好きなマンガ家は単行本だけじゃなくて雑誌も買えって事ですか。




第9話 (「なかよし」1999年11月号 P183〜P197)
 ぽっぷに魔女見習いの格好を見られてしまったどれみたち。結局ぽっぷも魔女見習いになることに。さっそく魔女としての才能の頭角を表したぽっぷに姉として、先輩として、どれみのライバル意識に火がついた!

この回はもう、ぽっぷに尽きます。表紙絵がすでに「ひ〜っ!」。しいちゃまの描くぽっぷはほんと可愛いです。
 それはいいんだけどストーリーのほうが支離滅裂です。長たらしい呪文やクルールポロンだのピュアレーヌだのバッドアイテムだの、それぞれのアイテムを説明しなきゃいけないからストーリー展開どころじゃありません。現在のテレビアニメの、スポンサーの力が強すぎるという弊害が巡りめぐってこんなところまで悪影響を及ぼしてます。もっとも器用な人ならそういう設定をうまく使って効果的にストーリーを作れますが(アニメのスタッフは実にうまくやってます)、しいちゃまはお世辞にも「器用な人」とはいえませんから。それがまた魅力なのですが。




第10話 (「なかよし」1999年12月号 P203〜P217)
 バッドアイテムを回収して魔女の進級試験を受けて、そして元通りの姿に… マジョリカの夢は広がる。だがバッドアイテムの最後の一つが見つからない。そんな折り、クリスマスパーティーで意外な事実が…

 う〜ん、ある意味恐れていた事が起こりました。心なしか、いつもより絵が荒れてる気がするのです。やはりかけもち連載が続いて疲れがたまっているのか。聞けばアシスタントもひとりしかいないとか。先生、ベタ塗りでよければお手伝いしますぜ!
「荒れるもなにも、最初から下手じゃないの?」
 そう、しいちゃまはいっけん、ただの下手っぴに見えます。かくいう私でさえたまにしいちゃまの腕前を疑うほどです。しかし事実は違います。とんでもありません。それについてはまた機会を改めて述べるとしましょう。
 それはそうと「なかよし」クリスマスプレゼントコーナーに『どれみ』のカラーイラスト(しいちゃま画)が載ってて、それが可愛いったら。特にぽっぷ。遂にスキャンして壁紙にしてしまいました。




第11話 (「なかよし」2000年1月号 P169〜P183)
 チャイドルの瀬川おんぷが転校してきた。けれどどれみたちが気になったのはおんぷが魔女見習いの服を着てること。一体おんぷの正体は!?

 遂に美少女おんぷちゃん登場! …のはずなんだけど、しいちゃまが描くと全然「美少女」に見えません。アニメとはえらい違いです。もっともそういう不器用さというか、男に色目を使わないあたり「正統派」少女マンガ家たかなししずえさんらしいともいえるでしょう。
 …とまあそこまではいいのですが今回おんぷちゃんの「彼氏」?をつとめるアイドルのトッキーが全然ハンサムに見えないのですが、いいんですか? 少女マンガ家がかっこいい男の子描けないなんて。少しは女の子にアピールするとかなんとか、ねえしいちゃま。
 2000年は「なかよし」45周年という記念の年ですが、しいちゃまもデビュー25周年。そのほとんどを「なかよし」と共に歩み、「なかよし」の歴史の半分以上に足跡を残し、しかも今なお現役という、う〜ん、こう書くとまるで近寄りがたい「スゴイ」ひとですね。ちなみにあの「わんころべえ」のあべゆりこ先生よりしいちゃまの方が先にデビューしてるんだそうです。現役最長老! でもしいちゃまのいいとこはそんな偉大な過去にこだわらず常に前を見、常にベストを尽くす姿勢にこそあると思います。それにしてもこんなに欲得のない人がよくも厳しいプロの世界で生き残れたものです。すごいや。
 なお、恥をしのんで「なかよし」の年賀状プレゼントに応募しました。もちろん、たかなし先生のです。でもはずれたみたい。残念。




第12話 (「なかよし」2000年2月号 P337〜P351)
 いよいよ進級試験を受けに行く… はずのどれみたちだが、人間界に観光にきた魔女ガエルたちの世話をするはめに。試験の時間は近づく。間に合うのか!?

 うわ〜っ、マジョリカみたいなのがいっぱい! しいちゃま、さぞかし楽しんで描かれたことでしょう。
 「どれみ」はアニメと同時進行ですが、アニメのほうが文句のつけようがないほどよい出来なので、逆にしいちゃまファンとしては複雑な気持ちです。同じ内容の話を同じ時期にやるとどうしても比較されてしまいますから。でも今回はアニメに負けないよい出来だと思います。というかしいちゃまの持ち味が存分に出てます。アニメがあれだけ素晴らしいとしいちゃまにも励みになると思いますし、逆にしいちゃまのまっすぐなハートも必ずアニメスタッフに届くと信じます。よいアニメ、よいマンガの関係はそうあるべきですよね。
 なお、「なかよし」に45年の歩みが載ってました。もちろん『おはよう! スパンク』もありました。へ〜え、『リボンの騎士』も、『あずきちゃん』も「なかよし」に連載されてたんですね。勉強になりました。





〜インターミッション〜「なかよし作家陣を斬る!」〜

 『どれみ』の連載が始まってから「なかよし」買うようになりました。実に91年以来の事です。(ちなみに91年当時しいちゃまは『月夜にぽよよ〜ん』という短期連載を終え、『くまさん かれんだー』を始められた頃でした)
 ここで巡り合ったのも何かの縁。しいちゃま以外の「なかよし」作家陣を『斬る!』

うるきゅー(秋元奈美)
 今どきの少女マンガの特徴として、友達の占めるウエイトがデカくなってるというか。昔の少女マンガってとにかく自分とカレシが世界の中心って感じだったけど。このマンガ読んでそんなことを感じました。好感もてます。
 ただ言葉づかいが好きになれません。確かに今どきの子はこういうしゃべりかたするんでしょうけど、それをそのまんま書いてたんじゃ、逆に幼い子に悪影響与える気がします… って、わしゃPTAかい!
 でも少女マンガの基本って、な〜んにも変わってませんね。妙にホッとしました。


だあ! だあ! だあ!(川村美香)
 これは売れ線だな、っていうのがよくわかります。絵もきれいだし。でも、あまりにもありがちだな、とも思います、正直なところ。これでは10年前の少女マンガと変わりません。


電脳少女Mink(立川恵)
 可愛いですね、女の子が。こういうのって逆に少年誌で男の子に受ける絵柄だと思うのですが。というか描いてるの、男じゃないの? という疑問が今だ疑問のままなので誰か答えを教えて下さい。(わかりました〜公式サイト〜)
 ちなみに『あさがおのポートレート』は我が愛読書です。


セ★ブ★ン(桜井明子)
 正直、面白いと思う。絵の綺麗さで勝負をかけない人って、結局自分の感性だけを信じて描いてるわけで、そういうのっていさぎよくていいよね(最近のしいちゃまもそうだと思う)。一冊のコミック誌にこういうのが一つくらいないとつまらないです。


カードキャプターさくら(CLAMP)
 このマンガ、どう評価していいのか…
 リクツで見たら全然わけわかんないし。気持ち優先でみたら確かに愛情とか伝わってくるんだけど、だったら余計な伏線はりまくるなよ、とも言いたいし。
 少女マンガに必要なのはただ「愛」だと思うのでそういう意味でキライじゃないです。でもアニメのほうがいいです。


B−ウォンテッド(えぬえけい)
 男としてはどうも好きになれない話ですね。もちろん男が「なかよし」買って読む事自体間違ってるんで勘弁してくなさい。でもえぬえけいさん、個人的には大好きです。だってスパンクのイラスト、めちゃくちゃうまいんだもん!(「なかよし」2000年2月号239Pをみれ!)
 『スパンク』で育った世代が今バリバリに描いてるんですね〜。感激です。


スマイルでいこう(安藤なつみ)
 いや〜、背中かゆくなるくらいラブラブのゲロあまですね。これこそ少女まんがの醍醐味です。基本です。そういえばかつてのしいちゃまも思わず柱をかじりたくなるくらいゲロゲロでした。今では考えられませんが。
 ただ今どきのマンガが昔と違うのは最後に必ずオチがある事。やはり笑いがないと今の世の中渡っていけません。これもよい傾向だと思います。関西に生まれた人間としては「ようやく世間が我々に追いついたか」と感慨ひとしおです。


ぜんまいじかけのティナ(あゆみゆい/明貴美加)
 好みです。以前の自分ならハマってたかも。というか全体的に「男の子もオッケー」な話だと思うので。
 私の勘違いじゃなければ明貴さっんて『銀嬢伝ユナ』描いてた人じゃなかったっけ?  私あれ大好きなんです。クソゲーだけど… って「なかよし」とはな〜んにも関係ない話ですね。


ワーキング娘(水上航)
 金儲けがシュミな女の子の話、なんていうから最初から一歩引いてたんだけど… あっ、意外といいかも。あんまりブッ飛んだ話だとついていけないんだけど、これって許容範囲内です。オッケーっすよ。


ほしいのはひとつだけ(高瀬綾)
 なんというか、私が「なかよし」読んでた頃ってこんなマンガばかりでした。広い意味でしいちゃまもこんな感じだったわけですが…
 最近のぶっとんだ少女マンガにはついていけないけど、こういう昔のままのも「う〜ん」です。このままじゃいけない気がします。しいちゃまもそう考えてお笑いに走りました(ほんまかいな)。


トップオブザワールドな人たち(小坂理絵)
 毎回愛読しています。大好きです。けれど今回で打ち切りです。どうも「なかよし」の読者は見る目がないですね。いや確かに地味なのは認めますが。


 ついでにわれらがしいちゃまも改めて公平に評価してみましょう。

おジャ魔女どれみ(東堂いづみ/たかなししずえ)
 男の目から見ると、みんくとか未夢、ティナ、さくらの方が全然かわいいです。という事は『どれみ』を読んでいる間、自分は男である事を忘れてるのでしょう。


 なお、終わってしまいましたが猫部ねこさんの『呪ってあっこちゃん』も好きでした。なんであれが人気なかったんだろう。私の好きなマンガってみんな評価低め。でも肝心な『どれみ』が順調だからい〜や。

 敢えて総括を述べさせてもらうなら、少女マンガに必要な「愛情」という意味ではすべての作品が合格です(除・猫部女史)。その愛情の「深さ」においても、それぞれに光るものがあると思います。しかし愛情の「広さ」においてはどれもしいちゃまに遠く及びません。しいちゃまの愛は、単に恋人や友人、家族だけの狭い愛ではないのです。そこが根本的な違いですね。




おジャ魔女どれみ#

第13話 {タイトル『おジャ魔女どれみ#』と改題} (「なかよし」2000年3月号 P203〜P218)
 待ちに待った四級試験の内容は「子守り」。こんなの楽勝! でもヴィヴィ君ひとりだけ、なついてくれない。手を替え品を替え、ヴィヴィ君を喜ばせようと奮闘するどれみだが…!?

 連載まる一年にしてようやく全ての歯車がかみ合いました。デビュー以来変わらない持ち前のあたたかさ、やさしさ、そして鍛えぬかれたギャグ、時代にあったセンス。これが2000年のしいちゃまの100点満点だ! とはいえこの魅力が全ての人に伝わるかというと、正直ギモンです。
 たとえば花にたとえれば、しいちゃまは道ばたのたんぽぽです。バラのような華麗さも、ひまわりのような存在感もありません。道行く人のほとんどが気づかずに通りすぎていってしまうちっぽけな存在。けれどもし立ち止まってその花をながめたら、きっと心をなごませてくれる。小さいけれどやさしいぬくもりを感じさせてくれる。しいちゃまのマンガはそんなたんぽぽに似てると思います。
 13話を読んで改めてそんな想いを強くしました。誰にも描けそうなありきたりの話、けれどしいちゃま以外の誰にこれが描けるでしょう。しいちゃまは世界一のたんぽぽです。
 …とまあそれはそれとしてぇ、しいちゃまは最近ボーリングにハマってるそうです。先生がスポーツをされるのはファンとして喜ばしい限りですが、よりによってボウリングとは! 私ゃボウリング苦手じゃ! しいちゃまは女でA型で夏生まれで関東の人、私は男でB型で冬生まれで関西。その上ボウリング! 憧れの人と何一つ共通点のないファンの悩みは深まるばかりです。




第14話 (「なかよし」2000年4月号 P107〜P121)
 いよいよ三級試験にチャレンジ。課題はケンカしてるカップルを仲直りさせること。要領の悪いどれみは苦戦する。そんな中おんぷは人の心を変える禁断の魔法を使ってしまう。

 先の13話で存分にそのゴッドハンドを披露したしいちゃまですが、今回もしいちゃまの絵の魅力が存分に楽しめます。いつにも増して表情豊か。それにしてもどれみはよく動きますね。もう一つの連載『たのし荘便り』がオトナの話なので動きが少ない分、思い切りキャラを動かしたくなるのでしょうか。
 しいちゃまが本当に絵が下手かどうか、もうお分かりでしょう。しいちゃまは見た目のキレイさよりも表情や動きを重視しているのです。こういう絵しか描けないのではなく、まして手抜きなんかじゃありません。それでも下手だといいはる分からず屋さん、116P(単行本3巻12P)怒られて駆け出すどれみ、これがあなたに描けます? いや「なかよし」執筆陣の何人にこれが描けますか。この一見手抜きにみえる絵が実は線一つ無駄のない、絵心を究めた人間だけに許される境地に達しているのが、どうして分からないんです?
 とはいえ、「だからしいちゃまはすごいんだ」などと言うつもりはありません。25年も描き続けてる人に「絵がうまいですね」なんて、かえって失礼だと思います。




第15話 (「なかよし」2000年5月号 P101〜P115)
 二級に合格したおんぷだがズルがバレて「執行猶予」。今度人の心を動かす魔法を使ったら魔女失格に。だけどどれみたちの魔女見習い服がみんなに見られて絶対絶命! おんぷは思わず、記憶を消す魔法を使ってしまう。

 多くは語りません。
「ともだちだから言ってるんじゃないの」「おんぷちゃんのことが心配なのよ」
 どれみたちに言われた時のおんぷちゃんの表情。これがすべてです。




第16話 (「なかよし」2000年6月号 P367〜P381)
 どれみたち、早くも二級試験にチャレンジ。と思ったら魔女界に迷い込んできた怪獣の赤ちゃんを泣き止ませろ、と随分勝手な試験内容。火を噴く怪獣にどう立ち向かう!?

 アニメの『どれみ#』でハナちゃんが活躍してるのにマンガには出てこない。しいちゃまが描けばさぞ可愛い赤ちゃんになると期待していたのですが…
 代わりにマンガだけのオリジナルキャラ、ボオちゃん登場。もう最高です。しいちゃまが嬉々として描いてるのが手に取るように分かります。こんなに楽しげなしいちゃまは初めて見ます。まるで子供のようです。はしゃぎすぎだよ、しいちゃま。作者本人にこれだけはしゃがれると読者としては笑って見るほかありません。もうストーリーなんかどうでもいいや。もはやボオちゃんがしいちゃまそのものに見えてきました。
 連載当初、さまざまな制約に苦しめられていたはずのしいちゃまが、それらの制約を吸収して自分のものにし、いつのまにか思いのままに筆をふるってます。さすがというほかありません。
 なお、「おジャ魔女パーティー#」のコーナーでどれみがお目目ぱっちりの自画像描いて喜んでますが、『海ちゃんどんな色?』で同じネタ使ってたような… 先生、ファンを甘くみちゃいけません。




第17話 (「なかよし」2000年7月号 P253〜P267)
 どれみたちは「MAHO堂」に連れ帰った赤ちゃん怪獣を「ボオちゃん」と名付け、育てることに。ところがちょっとしたスキにボオちゃんが抜け出して… 人間に見られたらヤバイ! どれみたち懸命の捜索が始まる。

 このところ、『おジャ魔女どれみ』は『おジャ魔女』にあらず。『おジャ怪獣ボオちゃん』となりつつあります。ストーリーもあってなきが如し。ボオちゃんの登場によってすっかり場が荒れています。
 いいえ、怒っちゃいません。少しばかりあきれてますけど。しいちゃまがこんなに自分のキャラに惚れるのは前代未聞の事なので、それが自分の事のように嬉しいです。しいちゃまが好きになったキャラを、ファンがキライになるわけないじゃないですか。
 話はとびますが、ページの隅っこに毎月のしいちゃまの近況が書いてあって、もちろんファンの楽しみなのですが、「毛が抜け代わる季節で…」「五匹も世話して大変…」などなど、やたらめったらネコネタばかり。ひょっとして先生、イヌはおキライですか?




第18話 (「なかよし」2000年8月号 P151〜P165)
 ボオちゃんの世話をぽっぷに押しつけキャンプにでかけたどれみたち。ボオちゃんに手を焼いたぽっぷだが、どれみたちの元にボオちゃんを連れて行く途中、落っことしてしまう。見つかったらヤバイ!

 なんだか先月号と似たような展開。どうしたしいちゃま。しかもストーンサークルだのUFOだの、ネタに困った作家が使いそうなものばかり。そうだ、これはしいちゃまではなく東堂さんのせいなんだ。そういうことにしておこう。
 というわけで残念ながら今回はみるべきものはありません。しいちゃまも人間、出来不出来のあるのは仕方ありません。ただファンにとって救いなのはもう一つの連載『たのし荘便り』。不思議と『どれみ』が不調の時は『たのし荘便り』に傑作が多いです。(その逆もあります。)
 『たのし荘便り』は子持ちの主婦が主人公の、『どれみ』とは全く違う魅力に満ちた作品です。しいちゃまのこれからを占ううえで大変興味がありますし、等身大の主人公にしいちゃまが入れ込むのもよく分かります。しかし… 『なかよし』と『フォア・ミセス』じゃ発行部数も知名度も差は歴然、なにより『どれみ』は同時アニメ化。どちらに力を入れるべきか、誰でもわかりそうなものですが。でもそういう打算を一切しないのが、いかにもしいちゃまです。




第19話 (「なかよし」2000年9月号 P211〜P225)
 怪盗オヤジーデ、ボオちゃんを狙ってMAHO堂に参上。一度は撃退したどれみたちだがオヤジーデからあらたに脅迫状が。みんなに迷惑をかけたくないボオちゃんはひそかにMAHO堂を抜け出し、自らオヤジーデの元に赴く。

 ボオちゃんが脱皮して人間っぽくなりました。どれみがそれ見て「かわいー」って言うんですが… 正直私には全然かわいく見えないんです。新生児を見て「かわいい」と思う女性とグロテスクに感じる男性。理屈ではない男女の感性の違いですね。こんなとき男が少女マンガのファンである事の限界を感じてしまいます。
 ほんと言うと、男である自分がこのようなしいちゃまファンサイトを作るつもりはありませんでした。陰ながらそっと応援させてもらうつもりでした。ところが! この広いインターネット界を見渡してもしいちゃまを応援するサイトがひとつも見当たらない! 世の女どもは何をやってるんだ。幼い頃「なかよし」を、しいちゃまのマンガを読んで育った、とてもうらやましいあなたたち、あなたたちはしいちゃまに育てていただいたその恩を仇で返すというのか。ええい、もう頼まん。この私が堂々と胸を張って言おう。私こそ日本一のしいちゃまファンであると! そして他のマンガ家たちがうらやむ日本一のファンサイトを作るのぢゃ!
 とまあ、そういうわけさ。
 支離滅裂ついでに、しいちゃまに直接関係ない話をもうひとつ。アニメの『どれみ』のスタッフに吉田玲子さんという優れたシナリオライターがおられますが、なんと今月号の新連載『東京ミュウミュウ』の原作を書いてるではありませんか。あんたは『どれみ』の本書いとれ! あなたがいないと困るんだよお〜。




第20話 (「なかよし」2000年11月号 P151〜P165)
 ボオちゃんを取り戻すためオヤジーデに立ち向かうどれみたち。だがオヤジーデの魔力の前には赤子同然。もはやこれまで? その時、女王さまからロイヤルパトレーヌの力を預かってきたマジョリカが駆けつける!

 ボオちゃんの最終形態(マックスフォーム)! めちゃくちゃかわいい! と思ったらもうお別れですか? また来てねボオちゃん。しいちゃま本人もそれを期待してる事でしょう。
 そして、そして! うわ〜ん!!(喜びの涙) 『おジャ魔女どれみ』遂に単行本化! しかも3カ月連続発売とな。喜び過飽和状態。この日をどれだけ待ちかねた事か。でもね講談社さん。12年待たせた挙げ句3カ月連続発売はひどい。それなら素直に4年に一冊出して下さい




第21話 (「なかよし」2000年12月号 P101〜P115)
 フジオ、レオン、トオル、そして暁クン。どれみたちの前に次々と現れるかっこいい男の子たち。みんなもうメロメロ。しかしそれは偶然ではなく、オヤジーデが魔法界から新たに差し向けたワナであった。

 単行本発売に浮かれきっている今日このごろ。巻末のスタッフインタビューではアニメのプロデューサーの関さんの「しいちゃまの大ファンです」発言。年のせいかすっかり弱くなった涙腺を刺激してくれます。ああ、ここにもしいちゃまファンがいた!
 ファンの喜びはまだまだ続きます。「なかよし」公式ホームページ『デジなか』のマンガ家インタビューに遂にしいちゃま登場! ファンでありながらしいちゃまの近況を全く知らない私には渇ききった喉をいやしてくれる泉です。まあ詳しくは『デジなか』みてね。
 そのインタビューに21話のフラット4登場シーンのエピソードがあったので、「ああ、ここの事か」とおもしろおかしく読めました。ほかにもこの回は作画的にみるべきところが多いです。おんぷちゃんとレオンのシーンが実に生き生きと筆が躍っていて好感が持てますし、あいこちゃんがバスケでシュートを決めるシーンなんか「これホントにしいちゃまが描いたの?」というくらい躍動感に満ちてます。今までのしいちゃまをバカにしてる訳じゃないけど、スポーツしてるシーンってあまり得意じゃなかったと思うので。
 しいちゃまの作品全体から見ると『どれみ』ってとても野心的ですね。オヤジーデとかモタ、モタモタなど今まで描かなかったようなキャラをどんどん描き、そして新たな技法に挑戦する。昔ながらのファンを時に戸惑わせ、時に喜ばせてくれます。しいちゃまは今も日々、努力と向上を続けているのです。




第22話 (「なかよし」2001年1月号 P271〜P285)
 暁くんたちの正体は魔法界から来たフラット4。その目的はどれみたちからボオちゃんの情報を聞き出し、天界のボオちゃんを奪う事だった。卑怯なやりかたに怒りをあらわにするあいこ、はづき、おんぷ。しかしどれみはひとり、暁くんを信じるのだった。

 今月号のなにがうれしいといって再び登場のボオちゃんです。やはりしいちゃまはこういう天真爛漫なキャラがほんと得意です。まあ、しいちゃまその人が私にとっては天使みたいなものですが。一方フラット4の化けたにせどれみ。これはこれで「いい感じ」に描けてます。意外です。しいちゃまも結構楽しんで描いてるみたい。悪役描くのは楽しいものね。でもファンとして、しいちゃまには悪の魅力を知ってほしくはないです。わがまま言ってごめんなさい。
 このところストーリーが『魔女界対魔法界の対決』という壮大な話になりつつあるので、しいちゃまの優しさに出会う機会が少なくなって残念なのですが、今回は久々に『どれみの暁くんを信じる気持ち』に一条の光を見た気がします。人を信じるって素晴らしい事ですよね。私はもちろんしいちゃまを信じます。
 ところでページのすみっこに『アシスタントに赤ちゃんが生まれました』としいちゃまのコメントがサラッと書いてあるのですが、確かしいちゃまにはアシは一人きりのはず。『どれみ』『たのし荘便り』そして「なかよし」増刊ふゆやすみランドも控えてるんじゃないんですか? しいちゃま〜っ!
 それから、しいちゃまの話じゃないんですが… 小坂理絵さんの『VAMP!?』が終わってしまいました。くどいけど、「なかよし」読者のみなさん、これのどこがつまらないんです? 納得いきません。でも最終回は実に感動的でした。今回はしいちゃまそっちのけでむさぼり読みました。
 「なかよし」のつらいところは、読者が低年齢層のため、マンガ家が真の実力を身につけ、いいものを描こうと努力すればするほど読者の好みから離れてゆき結果的に商品価値が下がってしまう事です。根本的な矛盾です。ビジネス的にいっても活力ある人的資源の浪費だと思います。「なかよし」の姉貴分にあたる雑誌を作るとか、なんかいい方法ないのか〜。つらいのです。切ないのです。かつてのしいちゃまを見るようで。しいちゃま本人はもはやそういう苦労も乗り越えて自在の境地におられますが。




番外編「ないしょのメリークリスマス」 (「なかよし増刊ふゆやすみランド」)
 人気チャイドルのおんぷはクリスマスイブもコンサートのお仕事が入ってしまう。イブはおんぷが転校してきた日。だのにみんなに祝ってもらえない。おまけに最近なんだかクラスのみんながよそよそしい。悲しみに沈むおんぷだったが…

 おんぷちゃんはどちらかというとしいちゃまの苦手なタイプのキャラだと私は勝手に思ってました。そのおんぷが主役の番外編。しいちゃまに「苦手キャラ克服」の意図があったのか? 私にはわかりません。分かるのはただ、ストーリー設定の呪縛を受けない番外編はしいちゃまの真価を発揮する絶好の機会だという事。
 そしてしいちゃまは見事、期待に応えてくれました。いや期待以上です。「素晴らしい」! コマひとつ、セリフひとつ無駄のない完璧な仕事ぶり。これ以外には考えられない黄金律に沿った話の流れ。何一つ迷いが感じられない自信が作品に満ちています。「私にまかせて!」というしいちゃまの心の声が聞こえてくるようです。
 これです! これを待ってたんです! ああ、しいちゃま。これこそ本来のしいちゃまです。最高です! 完璧です! 今までしいちゃまの素晴らしさを訴えつつはがゆい思いをしてきたのが、この一話で全部ふっきれました。今までの歴代のしいちゃまの傑作と比べても遜色のない出来です。さあ講談社さん、一刻も早く単行本を出してみんなを驚かせてください。「たかなし先生やるじゃないか」と。




第23話 (「なかよし」2001年2月号 P103〜P117)
 ボオちゃんをさらったオヤジーデを追って、どれみたちは魔法使い界へ。途中、路に迷ったどれみを見かねて暁くんが手をさしのべる。そしてたどり着いた魔法使い界。オヤジーデがボオちゃんを狙った真の目的が明らかになる!

 今回の『どれみ』も悪くはありません。悪くはないけれど… 「ふゆやすみランド」の番外編でしいちゃまの真の実力を久々に目の当たりにしてしまったのでそれと本編を比べるとどうしてもね。
 「こんなの描いてる場合か! もうなにもかもなかった事にしてしいちゃまの好きに描かせろ!」
 と言いたくなります。でも現実を考えると、しいちゃまがこうして「なかよし」で執筆できる事を素直に喜ぶべきでしょう。チャンスはまた巡ってきますし。(「はるやすみランド」が今から楽しみです。)
 今回の『どれみ』のいいとこといえば、このところ珍しくどれみがちょっとラブラブはいってるとこ。とはいえどれみじゃ恋愛ったってたかがしれてます。ここ10年以上しいちゃまの本格的ラブラブ恋愛マンガに出会ってないのでそういうのに飢えてます。ぜひゲロゲロあまあま描いてほしいです。やはり少女マンガは恋愛してなんぼです。
 もうひとつ、いい感じなのがどれみが本物のボオちゃんを見つけるシーンと、ボオちゃんがオヤジーデをやっつけるところ。いかにもしいちゃまらしい平和的な解決法です。
 しかしある意味今月号の一番おいしいのは本編とは別の「おジャ魔女どれみCMタイム」なる1ページの広告マンガ。恐れ多くも巨匠自らが筆をとりコミックスの宣伝につとめています。こういうオマケにファンは弱いのだ〜。ちなみに「え・たかなししずえ」と注釈まであるのですが、誰が間違えるかだれが!




〜インターミッション 〜 しいちゃまのウィークポイントを探る 〜

 「冷静」「辛口」に『どれみ』を、ひいてはしいちゃまを批評するというこの企画、果たして思惑どおりに書けているでしょうか。自分としてはせいいっぱい「冷静」なつもりなのですが。しかし「辛口」というのはやはり無理があったようで。どうしてもファンとしてはしいちゃまのいいとこを見てほしいですから。
 しかし自分は決してしいちゃまの盲目的なファンではありません。むしろ10年以上のファンだからこそ、他のひとたちより先生の欠点もよく見えているつもりです。というわけで…
 ダーン!!
 ここではあえて、しいちゃまのウイークポイントを探る特集を組んでみました。時に心を鬼にして冷たく突き放すのもまた真のファンのつとめではないかと思います。
 というわけで、心臓の弱いファンは読みとばしてくださいませ。


 魅力ある作品に欠点がないとは限りません。むしろしいちゃまの作品には欠点が多いと思います。『どれみ』の場合、欠点と思われるものをざっと挙げてみると…

 ・悪役が描けない
 ・絵の見栄えがよくない
 ・かっこいい男の子がいない

 なんかボロくそに言ってますな(書いてる自分が怖くなってきた)。
 しかし悪役の不在はしいちゃまの「魅力」ともいえるわけで、これを単純に「欠点」とはいえません。絵柄にしてもいいオトコの不在にしても、かつてしいちゃまは可愛い絵を描き、カッコいい男の子を描いてきたわけで、そういう実力を持っているのに敢えてその力を使わないだけの事。これも「欠点」とは言いがたいです。見栄えのよさで人気を稼ぐことなど、おそらくしいちゃまの眼中にはないのでしょう。ファンにとっては嬉しい事ですが、新たなファンを獲得するという意味では、このしいちゃまの「欲のなさ」こそ、ある意味先生のウィークポイントかもしれません。

 しかし私がホントに言いたいのは、そういうパッと見の「欠点」ではありません。私のみたところ、しいちゃまの作品にはそういうのとは別のウィークポイントがあります。それは… 「サブキャラが弱い」という事。そう、おそれながらしいちゃまは「脇があまい」ようにお見受けいたします。
 あるいは私が男だからこそ気づいた点かもしれません。男ゆえ少年誌も多く読みますが、少年誌の人気マンガは必ずといっていいほど脇役が光ってます。脇役でもっているといってもいいくらいです。女性にも人気のあった『幽々白書』などを思い起こしてもらえば一目瞭然でしょう。程度の差こそあれ、少女マンガも同様だと思いますが… しいちゃまの、たとえば『どれみ』を例にとると…
 まずはづきちゃんのキャラが弱いです。もっともはづきちゃんはアニメでも掴みづらいキャラになってて、しいちゃま一人を責める事はできませんが。あいこちゃんは非常に活躍してますが見方を変えれば関西弁に助けられているとも言えるわけで、あいこちゃんとしての個性が出ているか、と言われれば、どうでしょうか。関西弁キャラ初チャレンジのしいちゃまにそこまで言うのは酷ですが。おんぷちゃんはいい感じですが、それでもまだ弱いと思います。『どれみ』のような、サブキャラが横並びの話だとなおさら描き分けが難しいでしょうが、しいちゃまの場合『どれみ』に限らず全体的にサブキャラが弱いという印象を受けます。
 駆け出しの新人ならともかく、しいちゃまほどのマンガ家がサブキャラが弱いというのはちょっと考えられない事ですが、しいちゃまの場合はそれを補ってあまりある主役とマスコットキャラの魅力でなんとかしてるわけです。例えて言うなら「肩の脱臼を周りの筋肉を鍛える事で補って大横綱になった千代の富士」みたいな、尋常ではないやり方をしてるのです。それはそれで凄い事だとは思いますが。私がいいたいのは「こういう欠点があるからしいちゃまはダメだ」とか、「脇役がかければ楽できるのに」とか、そういう事ではありません。「サブキャラが描けるようになる事で、しいちゃまの作品はさらに魅力的になれる」と、私はそう思っているのです。

 かつてしいちゃまが一度だけ、万人が認める魅力的なサブキャラを描いた事があります。『おはよう!スパンク』のせりのちゃんです。せりのちゃんは広い意味での「悪役」でしたが、同時に「憎めないキャラ」でもありました。そういうキャラにせりのちゃんを育てたのは、ほかならぬしいちゃまと、そして原作の雪室俊一さん。雪室さんは優れたアニメシナリオライターですが『キャンディ・キャンディ』のイライザや『とんがり帽子のメモル』のグレースなど、時にとんでもない悪役を書いてしまう癖があります。しいちゃまにイライザやグレースが描けるはずがありません。血も涙もない悪役など描きたくないしいちゃま、主役と対立するキャラが必要と考える雪室さん、二人の葛藤があれだけ魅力的なキャラを生んだのです。そしてせりのちゃんがいた事で、より一層愛ちゃんの魅力が、『スパンク』という作品の魅力がひきたち、せりのちゃん自身も魅力輝く(おでこも輝く)キャラになったのです。
 しいちゃまがもし、またせりのちゃんみたいなサブキャラをかく事ができたら素晴らしいと思います。必ずしも表立った個性や、「悪役」「敵役」である必要はないでしょうが。本来なら原作者が、そういうマンガ家の苦手なところを見つけてフォローしてあげるべきなのでしょうが(東堂さん聞いてます?)。


 先生自らがその事に気づいているだろう事も、承知しております。でもあえて正直に、思うところを申し上げました。敬愛する先生に弓をひく罪深い私をお許し下さい。




も〜っと!おジャ魔女どれみ

第24話 {タイトル『も〜っと!おジャ魔女どれみ』と改題} (「なかよし」2001年3月号 P103〜P117)
 待ちに待った一級試験。それは審査員たちを納得させるお菓子を作ること。お菓子作りでは先輩の帰国子女ももこちゃんが仲間に加わって、5人のおジャ魔女の活躍がはじまる!

 …困りました。コメントするべき事がありません。あまりにも新たな設定が多過ぎてその説明に終始してます。次回をお楽しみに! という事ですね。無論ファンとしては先生がマンガを描いてくれるだけで、先生の絵が見れるだけで幸せですが、設定に振り回される先生を見るのは気の毒でもあります。というわけで本編の話はこれくらいで勘弁してください。
 単行本の3巻に、しいちゃまのインタビューがありましたね。「デジなか」のインタビューでもそうですが、しいちゃまって予想外にクールな人だな、というのが私の印象です。クールというと語弊があるかな。自分の作品について冷静に見ている、という事です。ちなみに、しいちゃまは2頭身オヤジーデが好きなんだとか。私はオヤジーデきらいじゃ! 先生のシュミとことごとく相反するこんな私がなぜしいちゃまファンでいられるのか? 最大のナゾだ。




第25話 (「なかよし」2001年4月号 P107〜P121)
 校則違反のピアスをとがめられ、無断で早退してしまうももこ。放っておけないどれみたちはももこに会い事情を聞く。ももこはピアスに込められた思いを話しはじめる。

 おおっ!? 今回の話は「意外」でした。ストーリー展開がとても「まとも」なのです。じゃあ、いつもはまともじゃないのか、と言われそうですが、うん。しいちゃまが好きに描いてる番外編はともかく、本編では正直言って東堂さんの力不足を感じていました。でも今回は非常によく練られたストーリー。しかもすらすらと読みやすい。実にいい仕事っぷりですが、いつもほどにはしいちゃまの匂いが感じられない。となると今回の功労者は… 東堂さん以外には考えられません。やったね! これでようやく二人三脚体制確立、あとは突撃あるのみ! そうなる事をいのります。
 それから、「なかよし」の巻末にしいちゃまと山田花子さんのインタビューがあったので嬉しかったです。全くあたりさわりのない話でしたが。でも、このあいだのコミックス宣伝マンガといい、今回のインタビューといい、「なかよし」編集部の、しいちゃまをプッシュする姿勢はファンとして感激です。ちょっとひいきしすぎじゃないの、と思うほど。でもひとつだけ「なかよし」にお願い。「なかよし」マンガスクールのワンポイント講座にしいちゃまが登場したらメッチャ嬉しいんですけど。




番外編「脱走うさぎを追え!」 (「なかよし増刊はるやすみランド」)
 飼育係のぽっぷさえさじを投げた脱走常習犯うさぎ。どれみが代わって大格闘。ももこちゃんのアイデアで自分たちもうさぎに変身、脱走うさぎのチャチャに事情を聞きます。暴れん坊チャチャの意外にやさしい一面があきらかに…
 先日の「ふゆやすみランド」で見事クリティカルヒットをとばしたしいちゃま。再びの番外編という事で否が応にも期待が高まります。
 そしてしいちゃまはまたまた期待に応えてくれました。このところただでさえ絶好調のしいちゃまなのに、あろう事かオハコの動物キャラまで登場、まさに鬼に金棒オービューティフルヒューマンライフ!(それはカネボウ)
 しいちゃま無敵の伝家の宝刀をなぜ今まで封印していたのか。先生のインタビューなどから察するに「使わなかった」のではなく話の設定上「使えなかった」みたいです。そんなフラストレーションを一気に開放する如く、しいちゃまの筆がのびやかに、しなやかに、高らかに、涼やかにそしてさわやかに、純白の紙に漆黒のラインを描くとき、そこに命がめばえます。あたたかく優しく元気いっぱいの、輝く命が。これこそまさにマジカルステージ!
 しいちゃまの動物キャラ。それはまさに日本の至芸、平成の鳥獣戯画。いいえ言葉などでその魅力を伝える事などできましょうか。394Pのチャチャの横顔など見てると『ゴッドハンド』としかいいようがありません。褒めてばかりいても仕方ないのでこれくらいにしときますが、正直まだ言い足りない気分です。
 それほど素晴らしいその上に!(今日はとことん褒めさせてもらいます)ストーリーも秀逸。うさぎのチャチャと飼育係の美咲ちゃんの友情の話なんですが、これがまた! しいちゃまの「これでもか!」といわんばかりのあったかハートのオンパレード。まさに「しいちゃま節」炸裂。もはや何も言うことありません。(散々言ったけど) 
 今回は散々褒めちぎらせていただいたので最後にひとつだけ難くせつけさせて下さい。ラストのオチの人面うさぎ、はっきりいってグロいです。そういえば第3話でもどれみの「犬面ビト」が登場したり。しいちゃま、ひょっとしてこういうのが好みなのでしょうか。人面シリーズ、これからも続くんですか?
イヤです!




第26話 (「なかよし」2001年5月号 P105〜P119)
 パティシエ試験の課題は審査員マジョミラーの「思い出の」スコーン。200年前に食べたのと同じ味じゃないとダメなんて… でも、どれみのなまけものグセが思わぬ時に役立った!

 4月号できっちりいい仕事をこなした東堂さんとしいちゃまのペアですが、今回はそれとは全く対照的。といってもつまらないわけではありません。ストーリーは至極まっとうなのに、どういうわけか今回しいちゃまが大暴走! 話のすじに関係ないところでギャグを連発してます。評価は分かれるでしょうが個人的には大変楽しめました。マジョミラーに課題を出されてどれみが大げさに「おお、スコーンか!」と驚くシーンなど、30回読んで30回笑い転げました(実話)。
 ところでしいちゃまのギャグのセンスってどんなもんでしょう。ネタ的には使い古しのありふれたものだと思うのですが、それをどれみがやると、しいちゃまが描くとなんだかついつい笑ってしまいます。気持ちで描く、ハートで描くしいちゃまのマンガは、ギャグさえも優しく愛情に満ちているのです。取るに足りないささやかな事から笑いを引き出してくるセンス、という点では、なかなかしいちゃまの右に出る人はいないのではないでしょうか。
 あと、今回嬉しかったのは話の一番おいしいところをはづきちゃんが持っていったところ。日頃かげのうすいはづきちゃんだけに嬉しいです。これからもどんどん「持っていって」ほしいです。それとマジョミラーの育ての親、カーラママが魅力的。年をとるほどかわいくなるタイプですね。モデルはしいちゃまか!?




第27話 (「なかよし」2001年6月号 P235〜P249)
 5年になって新たなクラブ活動。どれみたちは音楽クラブを見学に。でも顧問の西沢先生はおとなしすぎて生徒にガツンといえないタイプ。ある日どれみは、西沢先生が関先生に「自信がないから教師をやめようかな…」と話してるのを立ち聞きしてしまう。なんとかしなくちゃ!

 『どれみ』連載以来もっとも残念な回です。
 読み始めてすぐに「おお〜っ!」と鳥肌が立ちました。おとなしくてひっこみ思案な先生の話。「来た、来たぞ、ビッグウェーブが、ビッグウェンズデーが!」 しいちゃまはぽっぷみたいなちっちゃな子が得意です。マジョリカやボオちゃんみたいなマスコットキャラもお手のもの。そして動物キャラを描かせたら右に出るものはいません。しかし先生のもっとも得意とするのは何を隠そう「おとなしくてひっこみ思案な女の子」なのです。これを描かせたら宇宙開闢以来しいちゃまの独壇場、ごく控えめに言っても銀河系最強。そのうえ先生はこの手の話を滅多に書かない。その周期は銀河系内で超新星が発見される確率に等しく、要するにとんでもない事なのです。今回は『どれみ』始まって以来の最高傑作になるとこの時点で確信しました。ところが「えっ、えっ!?」話が腰砕けのままずるずると「これでおしまい?」
 ライターとしてのしいちゃまの真価は「登場人物の立場にたって」かくところにあります。都合のいい話に逃げない真摯な姿勢にあります。その粘り腰が今回は見られませんでした。心情としては、「東堂さんがいいタマ投げてくれたのに、しいちゃまが空振りしてしまった」気分です。無論、たった15ページでそこまで深い話を描くのは難しいでしょうし、東堂さんの力不足もあるでしょう。(なにかにつけ東堂さんにつらく当たる私ですが、東堂さんのレベルが低いのではなくしいちゃまのレベルが高すぎるのです)しかし、「いい作品を書くためなら東堂さんに言うべき事は言う」という姿勢がしいちゃまには感じられないのも事実。まさに西沢先生のような弱さをしいちゃまが持っている。それがマンガ家としてのしいちゃまの課題かもしれません。




第28話 (「なかよし」2001年7月号 P301〜P315)
 MAHO堂は人気上々、お菓子作りも自信たっぷり、2度目のパティシェ試験を待ち構えるどれみたち。そんなある日の閉店直後、一人の客がシュークリームをひとつだけ欲しいとやってくる…
 うらやましい限りです、マジョサリバン。たったひとりのためシュークリームを作ってくれる間、MAHO堂あげてのおもてなし。はづきちゃんのいれてくれた紅茶を飲み、おんぷちゃんの唄を聴き、あいこちゃんにひざ毛布、ももこちゃんに紅茶のおかわりまでしてもらい、どれみの一人漫才まで堪能して、まさに気分は龍宮城。私もMAHO堂に行きたい! ちなみに5人のサービスのうちひとつだけ選べるなら、迷わずはづきティーだね。5月号でもマジョミラーにロイヤルミルクティーごちそうしてましたが、彼女の紅茶は絶対マジうま、手つきみれば分かるもん。アメリカ帰りのももこちゃんにはこの繊細な味わいは分からんでしょう。(アメリカという国は大戦中紅茶の供給が滞るとあっさりコーヒー党に転向した。貨物船をUボートにうんざりするほど沈められても紅茶にしがみついてたイギリスとはえらい違い… ってそんな事『どれみ』となんにも関係なかろうが!)
 さて、先月号でもタルトの作り方が紹介されてましたが、今回もシュークリームのミニレシピがありました。どれみたちの解説、しいちゃまのイラスト。思えばこんな贅沢なレシピはありません。残念ながら私にお菓子作りのシュミはないのですが、あいこちゃんの「タコ焼き講座」、はづきちゃんの「紅茶のいれかた」とかやってくれたらさっそく台所に張り付けて大いに参考にするのですが。どれみの「テーブルマナー(ステーキ編)」なんてのもどうでしょう。
 ふっふっふっ… しかし今月号のおたのしみはこれだけではありませぬ。またまたやってくれました、『KCDXおジャ魔女どれみのお知らせ』! 巨匠再び筆をとりコミックスの宣伝に… ってひょっとしてコミックス、売れてないんですか? 気負って変形本なんかにするから本屋さんも置き場に困るんだから、講談社のおちゃめさん! と心配症のファンはあることないこと一喜一憂。しかし理由はどうあれ先生のマンガがよけいに読めるというのは幸せ。しかも… 先生、これ本文より面白いんちゃいます? あいこっちのヒップが色っぽくてもうたまりません! ああでもこの楽しみは「なかよし」買わなきゃわかんないのか。単行本しか買わない人、気の毒だなあ。つくづく。




第29話 (「なかよし」2001年8月号 P103〜P117)
 いつもどれみのわがままにつき合わされるぽっぷ。自分がお姉さんなら妹にもっと優しくするのにな… そんなとき偶然出会ったかりんちゃん。ぽっぷの妹になる、と宣言。かくしてぽっぷの「地獄の一日お姉さん体験」がはじまる。

 妹がほしいという願望がいざ叶うとなかなか大変で、かりんを迎えに来た平野くんのお兄さんぶりに感激するぽっぷ… 実によくまとまった話なのですが、なんかキチンとまとまりすぎてて、読み終えたあともなんだか食べ足りない気分なのですが。してみるとしいちゃまの上出来とは、いっけんまっとうでありながらかなりヒネリを効かせてるという事なのでしょうか。単に私がワガママなだけでしょうか。
 それとかりんちゃんには気の毒ですが、ぽっぷの妹というには少し器量が足りないかと。もちろんかりんちゃんも可愛いけど、なんだかんだいっても春風家の姉妹はかなりのべっぴんさんですから。そうそう、かわいいといえばしいちゃまが今月号のはみだしで、「小さい花壇でガーデニングに凝ってます」とのたまっておられます。そんなしいちゃまが「かわいい」!
 それから、ラストあたりでどれみが「夕食はステーキ!」とはしゃいでました。その後の事は描かれてないけど… 無駄無駄無駄〜っ! 絶対なんかあるって。しいちゃまファン、アニメファンともども、もはや『どれみ』唯一の関心事は「最終回で果たしてひと切れでも食することができるか!?」にかかっています。できれば食べさせてあげたいけど、なんとなく「世界一不幸な美少女」のまま終わりそうな予感。
 今回は非常に残念な事があります。期待してた「なつやすみランド」、しいちゃまの出番なしです。そのうえ9月号も『どれみ』はお休み! そんな〜! 『たのし荘便り』も連載が終わってしまった今、まるまる2カ月、しいちゃまのマンガを読めないなんて〜!! 

p.s しいちゃまに2カ月も放っておかれたせいで、アニメの『コメットさん☆』に浮気してしまいました。もう夢中だボ☆




第30話 (「なかよし」2001年10月号 P319〜P333)
 いつもは料理の魔法が得意のももこちゃんが不調。マジョリカによれば野菜ぎらいが原因とか。野菜ぎらいをなおすレシピブックをもとめて魔女界のカリスマシェフを訪ねるどれみたち。弟子とのお菓子対決に勝てばレシピがもらえることに…

 今回の話はまるっきりアニメのおさがりです。よって見るべきものは何もありません。おしまい。
 …と一筋縄ではいかないのがしいちゃま。話まるわかりで、マンガならではの工夫も特に感じられないのに、なんでこんなに面白いのでしょう。結局のところ、「絵に気持ちがこもってる」からでしょうね。どれみが嬉しいシーンではホントに嬉しそうな気持ちが、その絵から伝わってくるんです。ストーリーで読む話なら一度きりで充分ですが、しいちゃまのマンガは何度読み返しても飽きません。
 常々、しいちゃまの絵は決して下手じゃないと思ってますが、最近は下手じゃないどころか、こんなにうまい人はいないのでは? という気になっています。今回は特に休養明けという事もあっていつも以上に絵が生き生きしています。長年ファンやってると絵を見るだけでしいちゃまの健康状態、心理状態が分かるんです。たとえばね、『空ちゃん』の連載が終わる頃、絵柄がどことなく変わって、「ああ、しいちゃまは今、恋をしてるんだ」と微笑ましく思ったものです。懐かしい思い出。
 まったく余談ながら、個人的に食べ物のシーンに弱いんですよ。今回の『どれみ』の最後、「これもどーぞ」って手作りのお菓子を差し出すどれみ、何度見ても笑えます(あまりにそのページばかり見すぎて「なかよし」が分裂寸前)。あとアニメの『も〜っと! どれみ』20話「はじめて会うクラスメート」で、登校拒否症のかよこちゃんにどれみがボロボロの手作りクッキーを「お食べ」と差し出すシーンもたまらなく好き(その後のかよこちゃんが知りたいぞ)。ちなみに『エヴァ』の綾波に惚れたのも例のラーメンすすってるシーンで、宮崎アニメの一番好きなシーンはシータちゃんが目玉焼きパクつくとこ… ってどんどん違う方向に話すすんで一体
 どこまで行くのかな クラリ〜ス!(ゴメン)




第31話 (「なかよし」2001年11月号 P103〜P117)
 学芸会の季節。ぽっぷのクラスは「シンデレラ」。おとなしいくみこちゃんが主役に選ばれ、玉木のいとこのえりかは不満顔。くみこちゃんがおたふくかぜで倒れたのをいいことに、自分がシンデレラをやる、と張り切ってしまう。

 しいちゃまの優しい魅力がこれほど散りばめられた回はなかったでしょう、なのにまだ不満が残ります。ストーリーにもう一工夫あればもっと盛り上がったのに、と。自分はなんて欲深いファンなのでしょう。そうはいっても最近の東堂さんの原作には好感がもてます。「スパンク」の時の雪室さんのような、しいちゃまをリードしていく力強さはありませんが、しいちゃまと一緒にいいものを書いていこうという一生懸命が、このところ特に感じられます。頑張れ東堂さん!
 とにかく見どころいっぱいの回でした。今回の主役ぽっぷはもちろん(劇中の魔法使い姿が)、ゲストキャラのくみこちゃん、えりかちゃんが共にいい味出してますし、チョイ役の西沢先生のきっつい一言もGOOD! どれみのオチもいつもながらばっちり、とどめは表紙絵のあいこちゃんの王子さま&おんぷちゃんのまま母、とすみからすみまで楽しめる回でした。なんか今回主要キャラの一人がぬけてるような気もしますがそんなの全然気づかないくらい面白かったです(マジョリカ再起不能)。
 でも東堂/たかなし両先生、気づいてます? このところほとんど魔法使うシーンがないんですけど。最近では8月号で2つのケーキをひとつにした魔法を使ったくらい。こんなので果たして魔女と言えるのでしょうか? だからおジャ魔女なのか。まあ、一杯の麦茶のために魔法使うアニメのどれみよりマシかもしれません。魔法玉ひとつあたり120円換算。あれは笑いました。
 今月の天の声(しいちゃまのお言葉)は「本をたくさん買って読書の秋にします」でした。しいちゃまの愛読書ってどんなでしょう。「ハリーポッター」? アガサ・クリスティ? ハーレクイン・ロマンス!? 意外と「三国志」とかだったりして。ああ、知りたい!
 p.s おんぷちゃんの使ってるマグカップがほしい! しいちゃま直筆のきつねイラスト入り〜


第32話 (「なかよし」2001年12月号 P425〜P439)
 今度のパティシエ試験の試験官マジョリードは、マジョリカをはじめ魔女ガエルたちの尊敬を一身に集める魔女のかがみ。ところが当のマジョリードは人間など信用できないと、どれみたちを門前払い。大変な試験になりそう。

 いやあ、飲んでますねえ、お茶。やはりおまんじゅうにはお茶が一番。ひとりはづきちゃんは意地でも紅茶党のようですが。しかしまんじゅうに続く魔女ガエル村のヒット商品「ういろう」ですか。魔女ガエルの形した。やはりお茶の葉入りの緑ぃ〜のなんでしょうね。不気味です。もの珍しさで売れている間に早く第三弾を考えておいたほうがいいと思います。
 などと重箱すみっこ攻撃から始めてしまいましたが、すごいんですよシナリオが。連載が始まった頃とは雲泥の差。東堂さんの成長ぶりがうかがえます。ベテランマンガ家とペアを組ませる事で東堂さんに経験を積ませる。講談社さんの見事な戦略だったんですね。しいちゃまの事だけ考えてマンガ読んでた自分が恥ずかしいです。というわけで今までで最も完成度の高い話ができました。絵はしいちゃまなので当然文句なし。というか恐ろしいことにまたレベルが上がってるっぽいです。おそらくレベル100は越えてます。一人で魔王倒せそう(意味不明)。とにかく非の打ち所のない出来なので、あとは読む人の好みの問題でしょう。
 こんな素晴らしい才能が月に16ページの仕事しかしていないというのはもったいない。せめてあと4ページください! それにどうした事か巻末にまで追いやられてしまいました。残念。
 よいニュースもあります。12月6日に単行本発売! タイトルは『も〜っと! おジャ魔女どれみ 第1巻』となるようです。結局『シャ〜プ』というタイトルでは1冊も出ないんですね。発売予定の単行本の表紙絵がカラーで載ってるんですが、それがカラフルで実に素晴らしい。歴代のしいちゃまの単行本の中でもベストの表紙絵ではないでしょうか(ちなみに今までで特に好きなのは『スパンク』7巻、『海ちゃん』1、2巻です)。とにかくそれだけで欲しくなります。いやどっちみち買いますけど、最低2冊は。

 話はそれますがアニメの『どれみ』、大好きな長門かよこちゃんが再び登場してくれて嬉しい、というかホッとしました。マンガでも出てくれたらサイコーなんですが。




第33話 (「なかよし」2002年1月号 P439〜P453)
 最後のパティシエ試験。それはレシピブックの破られたページにかかれていた『幻のレシピ』。見たこともなく、レシピを書いたマジョロクサーヌさえ記憶を消されてしまったお菓子をどうやって再現すれば? 難題に果敢に挑むおジャ魔女たち。破られたページにはロクサーヌの、そして先々代の女王の深く悲しい思い出が刻まれていた…

 2度続けての巻末連載。崖っぷちです。しかしそんな俗世間の事など知らぬげに、しいちゃまの筆はますます冴えわたるばかり。回想シーンでの萩尾望都ばりのシリアスな展開、そして絵柄に「しいちゃまはなんでも描けるんだ」と改めて感銘を受けました。
 とにかく絵の気合の入れ方がハンパじゃありません。マジョロクサーヌの記憶を取り戻す事を決意するどれみの表情! そして出来たお菓子を女王さまに差し出す5人のおジャ魔女の、アニメの絵柄を取り入れアレンジを加えた絶妙なショット。ひとコマたりとも手を抜かない熱のこもった仕事ぶりに、読んでいる私も思わず背筋を伸ばしていました。気迫みなぎるしいちゃま渾身の作品といえるでしょう。そして次回クライマックス、刮目して見よ! と少年マンガばりに期待をもたせる終わり方。燃えます!
 正味わずか14ページにこれだけの笑いと涙を詰め込む事ができるとは、巨匠おそるべし。ただし「シリアスすぎてしいちゃまらしくない」という理由で、あえて評価は控えめにしました。それにしてもこの土壇場でここまでやるとは、ひょっとして追い詰められないと本気を出さないのか、しいちゃま!
 アニメのほうは4年目の継続も決まり、胸なでおろしたファンも多いでしょうが、私の唯一最大の心配は「4年目もしいちゃまは続投できるのか」ただそれだけです。




第34話 (「なかよし」2002年2月号 P529〜P543)
 遂に幻のケーキを作り上げたどれみたち。けれどこのケーキ、先々代の女王さまに食べていただかないと。それが試験の最終課題、そして女王の閉ざされた心を開くために… 危険を承知でおジャ魔女たちは呪いの森に入っていくのだった。
 残念ながら語るほどの事はありません。クライマックスにあたる今回のような話はページ数の少ないマンガでは不利、というか無理。この条件では誰がかいても大差ないでしょう。
 しかしシリーズを通してみると、3年目の「も〜っと!」は今まででもっとも充実していました。そして何より嬉しい事にしいちゃまは来年度も続投です。うれし〜っ! またしいちゃまの傑作に出会える。願わくば4年目の「ドッカーン!」、シリアスな設定などないまったりしたシリーズにしてほしいです。しいちゃまの真価が発揮されるのはそうした家庭的な話なのですから。そして最近ネタ枯れ気味のアニメの方に、逆にストーリーを供給できるような体制になればいいと思ってます。それだけのポテンシャルを秘めたしいちゃまなのですから。
 えらく個人的な話で申し訳ないですが… 私の弟は絵がうまいのですが、その弟にしいちゃまの「どれみ」を見せたら「うまい」と言ってくれました。自分の事のように嬉しかったです。それにしてもアニメのファンのみなさんって、マンガのほうは読まないんですね。もったいない。




おジャ魔女どれみドッカ〜ン!

第35話{タイトル『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』と改題}(「なかよし」2002年3月号)
 ようやく一人前の魔女になれると思ったのに魔女界からは連絡なし。どれみもマジョリカもふくれっ面。と、突然MAHO堂が模様替え。そして中から現れた女の子は…
 ハナちゃん6年生になって颯爽登場! 実はマンガの方ではハナちゃん初登場です。そのハナちゃんが、ハナちゃんが、ハナちゃんが、
かわい〜っ!!
かわいすぎる〜っ!!!!
さすがはしいちゃまというべきか、もっと早くから描いてもらうべきだったか。でもこうなると出番の少ないぽっぷの立場がますます微妙に。難しいものです。
 さて今回は嬉しい事件が2つ、悲しい事件が1つあります。
 まず嬉しいほう。巻末に再びしいちゃまと山田花子さんの対談が載ってること。もう一つは付録の『恋とキレイのお役立ちbook』に、しいちゃまのおしゃれの秘訣が載ってること。
 そして悲しい方。これは深刻です。いつものように『どれみ』のレビューを書いていて、よくできた話なのになぜかネタが少ないのが不思議だったのですが。よくみたら今回の『どれみ』、何度計算しても8ページしかありません。
 やりやがったな『なかよしぃ〜っ』!
 わしゃ、たった8ページのために毎月420円も払わなきゃいかんのか!?
 たった8ページ読むために37歳のおっさんが顔から火の出るような恥ずかしい思いをして『なかよし』買わねばならんのか!?
 いや、そういう問題ではない。なんで日本最高のマンガ家が月に8ページの仕事しかさせてもらえないのですか!?
 悲しい。悲しすぎます。けれど今まで数えきれぬ苦難を笑顔で乗り越えてきた大先生です。今回もきっとやってくれます。
「なんで8ページでここまでできるんだ!」
必ずや、しいちゃまの筆がまた奇跡を起こしてくれるでしょう。
私は信じていますから。心から信じていますから。




第36話 (「なかよし」2002年4月号)
 学校に行きたいと言い出すハナちゃん。なんとか思い止まらせるどれみたちだが、妖精ババの入れ知恵で結局来てしまう。そして案の定の大騒動。

 …それでもまだあらすじ書かなきゃいけませんか? 8ページに削られた事がくやしくてふてくされ気味の私です。
 けれどどんな逆境でも最善を尽くすのがしいちゃま流。少ないページにもちゃんとキャラに気持ちが込もっています。かつて、わずか2ページの連載『くまさん かれんだー』で鍛えぬかれたしいちゃまの技が光ります。さすがに多少コマ割りがキツくなった気はしますが。
 今回は初登場の妖精ババがとてもいい感じに描けてますね。実はしいちゃま、おばあちゃんキャラも大得意。古のファンとしては『海ちゃんどんな色?』に出てくる海ちゃんのおばあちゃんをちょっぴり思い出してしまいました。
 但しあおりをくらってぽっぷの出番がなかったのが、予想されていたとはいえ残念です。
 さて、嬉しいニュースがあります。今月18日発売の『なかよし』増刊『はるやすみランド』、しいちゃまが1年ぶりに戦線復帰! しかも今回は『どれみ』の番外編ではなく久々のオリジナルです。
 タイトルは『パオパオマヤマヤ』。しいちゃまお得意のメルヘン話のようですね。期待できそうです。というかね。
 ほんと、うれしいです。 
 一度は「しいちゃまは引退した」と思い込んでいた自分です。そのしいちゃまがたとえ8ページでも今も『なかよし』に連載を続けていること、それだけでも夢のようなのに、オリジナルの新作が読めるなんて! ただただ、感謝あるのみですね。




第37話 (「なかよし」2002年5月号)
 あらたに『おしゃれZAKKA』としてスタートしたMAHO堂。みんな慣れない手つきで一生懸命に商品を作ります。そんな中ハナちゃんは魔法でステキなグッズを大量生産。売れ行きも順調でいいことづくめに思えたけれど…!?

 『ドッカ〜ン!』になってからしいちゃまの絵の雰囲気が若干変わりました。ページ数が少なくなった分どうしてもコマ割りが小さくなるので、そのぶん線をくっきり描いて見やすく配慮されています。しいちゃまならではのやわらかい雰囲気が少々そこなわれましたが、逆に少年誌っぽいハキハキした線は自分にとっては読みやすいです。ひとコマひとコマの描き込みも以前より丁寧になっています。
 それもこれも、わずかなページ数の中でもそこにストーリーを描きたい、気持ちを込めたい、という先生の意志のあらわれ。そしてその思いを実現してしまうのがしいちゃまのすごいところ。
 ほんと、すごいです。というかもう信じられません。ハナちゃんのやんちゃぶり、そんなハナちゃんを優しくたしなめるどれみたち。そして根はいい子のハナちゃんが一歩一歩成長していく姿。全てがカンペキに描きこまれています。くどいですがたった8ページにですよ! そのうえババが機織り機の説明をする今後の伏線まで用意する余裕! ストーリー作りはこうやるべし、という見本のようです。とはいえ誰にも真似できないお手本ではありますが。
 とにかくこれではっきりしました。技術的、物理的な制約でしいちゃまの才能をしばりつけることなど決してできないという事です。制約があればあるほど、しいちゃまの作品はますます輝きを増していくということを、今回はっきり思い知りました。

 才能だけが先行してハートを失ったクリエイターならいくらでもいます。逆に気持ちを込めたくても形にできない人たちもいます。才能とハート。そのふたつを兼ね備え、これだけレベルの高い仕事ができるマンガ家を、私はほかに知りません。そして才能とハートを天秤にかけた場合つねにハートを優先させるしいちゃまならではの姿勢も大好き。もっと才能を見せつけるかきかたをすれば一般の評価もあがるのでしょうが。でもいいんです。『知るひとぞ知る』しいちゃまで。私がしいちゃまを知っています。それで十分です。というかこれ以上の贅沢があるでしょうか。




第38話 (「なかよし」2002年6月号)
 先々代の女王の閉ざされたココロを開くため、どんな物を織ってあげればいいんだろ?
 マジカルステージで過去の女王と孫のナターシャを見つけるおジャ魔女たちは、そこでヒントを見つけます。

 今回はアニメと同じストーリーですね。
 今だから言えますが連載当初、アニメとダブった回のレビューを書くのはつらかったです。ファンの目から見てもアニメの方が面白かったですから。
 でも最近はしいちゃまもアニメとは違う自分なりの『どれみ』をみつけてかいているみたい。筆に迷いが感じられませんから。

 今回は虹の織物の話なのですが、肝心のランチョンマットが『虹』に見えないので話の盛り上がりに欠けてしまいました。残念です。コミックスフルカラー化希望(うそ)。
 でもしいちゃまのマンガならではの魅力はもちろん随所に見られます。今回とくに気に入ったのは、先々代の女王の「ずっとふりつづく雨はないわ」というセリフ。とても胸にしみ入りました。
 ことばは、それを使う人の心を表すもの。けれどいくら含蓄のある言葉も気持ちがこもってなければ意味がありません。人生の起伏そのものを言い表したこの名セリフ、マンガ家としての歩みを通して幸せも苦労も味わってきたしいちゃまだからこそ説得力のあるセリフだと思います。もっとも「なかよし」を読む世代の子供らにこの味わいが分かってもらえるかは別問題ですが。

 ちなみにしいちゃま、デジカメを買って撮りまくってるそうです。どうせネコとかネコとかネコとか撮りまくってるんでしょ? いっそネコサイトでも作って下さい。まっ先に見に行きますから。
 でもデジカメ画像をちゃんとパソコンに取り込めるのだろうか… マンガ家としての腕は信じても、ハイテクの扱いにはイマイチ信用がおけないしいちゃまです。




第39話 (「なかよし」2002年7月号)
 魔女見習い試験を受けるぽっぷとハナちゃん。今回は魔女界にある珍しい花を先に摘んできた方が合格。魔女界生まれのハナちゃんに断然有利なこの試験。けれどライバル意識を燃やすぽっぷ。負けられない!

 ズバリ今回は、ぽっぷと、赤ちゃんに戻ってしまったハナちゃんが主役です。『どれみ』キャラ中、マジョリカ、ボオちゃんと並んでしいちゃまお気に入りのぽっぷですが、話の設定上最近はほとんど出番なし。そして赤ん坊ハナちゃんはマンガでは今回が初登場になります。
 かわいいのが大好きなしいちゃまの事、ぽっぷも幼いハナちゃんの事も、描きたくて仕方なかったに違いありません。そうです。今回はしいちゃま、心の赴くままに好きなものを好きなように描いてます。本来の主役たちそっちのけで。随分思い切りましたね。

 話の出来ですか? そんなのしいちゃまが楽しんでかいてるんだから面白いに決まってます!
 しいちゃまの作品のエッセンスがこの一話にギュッと集約されてます。しいちゃまの一番描きたい『人のあたたかさ』、それをもっとも純粋な形で「はい」と差し出してくれた、そんな感じ。
 そこにはなんの技もなくひねりもないようにみえる。いや本当はあるんだけれど、それを考えて使っているようにはみえません。マンガ家としての技を経験と才能で習得したしいちゃま。だから思ったままを描いても、そこに技が手の内から自然とほとばしりでる。心と技が一体となっている。だから一見まるでド素人が描いたような凡庸なストーリーにみえてその実、一分の隙もない。
 しいちゃま。とうとうここまできちゃいましたね。そしてこの上にもまだあるのでしょうか?

このわずか8ページの小品を「最高傑作」と言いきっていいのか? それはともかく、これほどの傑作をかきながら表紙絵におんぷちゃんを描き忘れる凡ミスをしでかすしいちゃま。いくつになってもおちゃめさんです!




第40話 (「なかよし」2002年8月号)
 学校のキャンプで行われたスタンプラリー。ご褒美は宿題免除と聞いてどれみの目の色が変わる!
 けれど勢いあまって小竹と崖から落ちてしまうどれみ。どうなる…!?
「意地でもしいちゃまのラブコメが読みた〜い!」
 そんな私の思いが遂に通じたのでしょうか。今回は念願のどれみと小竹のラブラブ話です。
 けれど、けれどあまりにも唐突すぎますよこの展開。
 そもそもアニメではともかくマンガでは小竹って2話で登場したきりであとはザコキャラ同然。それがいきなりの急接近。強引です(ひょっとしてしいちゃま、強引な男の子に弱いのか!?)
 しかもこのストーリー展開、『王道』といえばきこえはいいですが、あまりにもありがち。『スパンク』で池上さんと愛ちゃん、大学生と中学生の禁断の恋(?)を描きラブコメを極めたしいちゃまの所業とも思えません。あまりのブランクの長さにしいちゃま、ラブコメの描き方を忘れたのでしょうか?
 とキツい言い方になったかもしれませんが、実のところ大変楽しめました。しいちゃま自身、初心にかえって楽しんで描いたのでしょう。どのみち『どれみ』で本気でラブコメ描くわけにもいきませんし。
 なにより今回最大の収穫は、
「意地でもラブコメが描きた〜い!」
 というしいちゃまのあつい想いが伝わってきたことです。しいちゃまもかきたいんだ! ならばいつかきっと描いてくれるでしょう。しいちゃまって意外にガンコです。こうと思ったら必ずやり遂げる人です。ただし「他人を押し退けてでもやり通す」というのではなく「流れが自分に向くまで時を待って望みをかなえる」のがしいちゃま流。だから何年でも待ちます。しいちゃまが甘く酸っぱいとびっきりのラブコメを描いてくれる日を。しいちゃまにその気がある限り、それは必ず実現するのですから。




第41話 (「なかよし」2002年10月号)
 どれみたちと魔女界の動物園に行ったハナちゃんは仲間にいじめられている白いゾウを見つけます。放ってはおけないとそのゾウをかばうハナちゃんですが…

 今回もアニメとほぼ同じ展開。しかし8月号のラブコメ話とはうってかわってハナちゃんとゾウのパオちゃんが活躍するお子さま向けの展開です。
 思うんですけど、しいちゃまの『どれみ』って読者層を考えると「なかよし」よりも「たのしい幼稚園」向きじゃないのかなあ。アニメの『どれみ』で「たの幼」のCMがあって「なかよし」のがない事から考えても基本的な戦略ミスとしか思えません。ま、今さら言ってもしかたないし、それが現実になったら私はこの年で「たの幼」買うはめになるのですが。
 いつも思ってきました。自分はなんでこんなにしいちゃまが好きなんだろうって。こんな子供むけのマンガを喜んで読んでる自分はおかしいんじゃないだろうか。一般の評価があまりに低いので自分の感性を何度も疑いました。でもそんな迷いはしいちゃまのマンガを読むたび吹き飛んでしまう。ただ説明がつかない。
 最近ようやくわかってきた気がします。しいちゃまのマンガはモーツァルトの音楽のようなものじゃないかって。彼の曲はとても優しく、だからBGMとして聞いてもとても口当たりがいい。けれどその同じ曲がなぐさめてほしい時はなぐさめの曲になる。どんなに真剣な気持ちで聴いても、それに応えてくれる。しいちゃまのマンガも同じじゃないかな。『打てば響く』。しいちゃまは決して人間離れした特別な人ではないと思います。ただ作品作りにおいて妥協しないひと。そして作品に心をこめることを忘れないひと。『奇跡』とか『天才』とよばれる人の所業って、結局はただそれだけのことじゃないのかな。
 ああ、今回の話についての感想ですか? しいちゃまが動物の話をかいたのです。誰か不満な人います? いませんよね。じゃあおしまい。




第42話 (「なかよし」2002年11月号)
 MAHO堂の新しいおともだちパオちゃん、ゾウさんだけあって食欲モリモリ。サイフの中身を心配するマジョリカだけど、パオちゃんのう○ちが高価なビーズ玉と知ってたちまちゴキゲン。けれどそのころ不気味な雲がたちこめて… 先々代の女王さまの呪いでは!?

 今回は久々に疑問符付きの話の展開です。いえ、しいちゃまの筆の冴えはあいかわらずですが… なにもアニメのつまらない部分をなぞらなくてもいいのにと思います。しいちゃまは妙に律儀なところがありますからねえ。しかもこの話の展開からして、続きがありそうな予感。ああ。いや、先生のお考えはわかってますよ。しいちゃま、たんに『ゾウさんが描きたかった』だけなんですよね。
 このところあまりに『どれみ』を褒めすぎて、自分はしいちゃまの作品を冷静に見れなくなったのではと思い、このレビューを書く意味がないのではと思い始めていたのですが、今回は自分の輝きセンサーが壊れていない事が確認できました。複雑な思いです。




第43話 (「なかよし」2002年12月号)
 魔女界の黒い雲がとうとう人間界をも覆い、次々と人間の気力を奪っていく。そんな中先々代の女王の孫、ロイの情報をを見つけたどれみたちは、いばらの呪いをとくためにタペストリー作りに思いを込めます。

 残念ながら、非常に残念ながら、今回もあらすじ以上のことは特に何もございません。なにもこの土壇場にきてアニメのストーリー展開に歩調をあわせなくてもよいのに。しいちゃまが好き勝手に話をでっちあげて文句を言う人など誰もおりません。どうかしいちゃま、連載の最後にあたりもう一花、咲かせてはいただけませんでしょうか!?

 『どれみ』話からは離れますが、今月号の「なかよし」にコゲどんぼさんの作品が掲載されていました。『CCさくら』終了後の部数の落ち込みを防ぐため、藁をもつかむ思いでカンフル剤注入という編集側のあせりがみえみえです。そういったパッと見や豪華な付録で客を釣るしかないのでしょうか。良心的な作品をかき、豊かな目を持った読者を育てるという王道、それはもう古きよき過去のものなのでしょうか。アニメの『どれみ』や『仮面ライダー龍輝』の如く、時に難解なストーリーでもしっかり子供たちの心に届く、そんなテレビにはできる事が雑誌にはできないというのでしょうか。私は伝統ある「なかよし」に子供に媚びを売るようなことはしてほしくないし、ましてアニヲタに媚びなどうってほしくありません。
 いえコゲどんぼさんに恨みなどありません。個人的には読めるページが増えて歓迎です。この『かみちゃまかりん』ですが、とても少女まんがの王道を意識して丁寧にかかれています。そのいい意味での緊張感が伝わってきてなかなか楽しく読めました。たしかコゲどんぼさんは女性。女性のマンガ家にとって「なかよし」に作品が載るというのはやはり夢の頂点ですから、さぞ嬉しかったことと思います。それとも、もうそういう時代じゃないのかな?




第44話 (「なかよし」2003年1月号)
 (あらすじは自粛)

 思い切りフェイント食らってしまいました。まさか今月号が最終回だったなんて? だってまだアニメやってるんですけど。
 文句をいってもはじまりません。まだ心の準備ができているとはいえないのですが気をとりなおして読み始めます。ふむふむ、なるほど、そうですか… これはここでおいそれと語れませんね。まあ、最初っからハッピーエンドに決まってはいるのですが。
 話の筋に関しては何も語りますまい。ただ今回の絵はやはりいつにもまして力が入っていました。ひとコマひとコマからどれみたちの元気があふれんばかりです。かえすがえすももったいない、これほどの才能がそれにふさわしいあつかいを受けられないことが。
 でも今は笑顔で言わせてください。「ありがとう」。こんなにいっぱい元気をくれて、こんなにいっぱいやさしさをくれて。そしてしいちゃま、これからも、いつまでもあったかハートの作品を描き続けてください。ありきたりの言葉ですが、それがファンの本心です。



ここだけの話

 いやあ、実はアニメの『どれみ』第1話、見逃してるんですよ。予告編見た時点で「こりゃ、つまらん」と決めつけてました。私のカンって大抵当たるんだけど肝心な時にはずれちゃ、意味なし。
 第1話終了後、友人から電話があって、
「『おジャ魔女どれみ』知ってる?」
「ああ、あのつまらなさそうなヤツ」
「原作、しいちゃまやで」
「うひゃ〜っ!」
 てなわけで今日に至るわけです。どっとはらい。

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